2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17500087
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
新田 克己 東京工業大学, 大学院総合理工学研究科, 教授 (60293073)
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Keywords | ADR / 調停スキル / 法学 / 教育支援 / 事例ベース / 擬人化エージェント |
Research Abstract |
本年度の研究実績は以下の3点である。 (1)オンライン調停支援システムの改良と評価 昨年度に開発したオンライン調停支援システムと助言エージェントを法科大学院の仲裁演習の授業に利用し,論争データを収集するとともに,システムの使い勝手に関する意見をアンケート調査し,システムのインタフェース部分を中心に改良を行った。ほかに,法律解釈に関係した論争データや,会社の提携に関する交渉データを収集し,このシステムを利用して論理抽出を行い,このシステムが多様な論争データの解析に利用できることを確認した。 (2)調停エージェントの実装 収集した論争記録(事例ベース)をもとにして,人間の代わりに調停の論争を行う調停エージェントを実装した。まず,事例ベース中の11件の論争記録を分析して,発言者の個性が利己的か,発散的か,理屈的か,などの点で特徴付けられることを認識し,その結果を調停エージェントの実装に利用することとした。調停エージェントは,事例オントロジを利用して相手の発言内容(争点や論理展開)を理解し,論争ルールを利用して相手の発言に対する応答の候補を列挙し,エージェントの個性に応じて最適な応答候補を選択し,その応答にふさわしい発言(テキスト)を事例ベースの中から選択して,相手に提示するという機能を持つ。 (3)調停エージェントの評価 調停エージェントをオンライン調停支援システムに組み込み,学生10名にこのシステムを利用して調停エージェントとの論争を行い,論争相手としての印象をアンケート調査した。その際,個性を変えた3種類のエージェントと論争させた結果,意図した個性とアンケート結果がほぼ一致し,エージェントの発言傾向をある程度,制御できることを確認した。
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Research Products
(5 results)