2005 Fiscal Year Annual Research Report
身体動作の時空間的分節化にもとづいた身体技能の習得支援方法の研究
Project/Area Number |
17500090
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
藤波 努 北陸先端科学技術大学院大学, 知識科学研究科, 助教授 (70303344)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 知幸 北陸先端科学技術大学院大学, 知識科学研究科, 助手 (90345653)
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Keywords | スキルサイエンス / 身体知 / 技能習得 |
Research Abstract |
本年度は熟練者の動作を調べることを第一目標とした。そのため九谷陶芸技術研修所および地元陶芸家の方々にご協力いただき、平成17年6月より二ヶ月に渡って12名の方々の菊練り動作をモーションキャプチャ装置で測定・記録した。実験の結果、データ収集のためにはさらなる工夫が必要であることがわかった。たとえば、粘土の固さをコントロールする必要があること、陶芸家の体格が様々であるため作業台の高さを人によって変えなければならないことなどである。また、陶芸家が力を入れるタイミングを測ることの重要性も明らかとなった。平成18年度はこれらの課題を解決し、再度、熟練者の動作にみられる特徴を探っていく。 本年度はまた初心者が技能を身につけていく過程を調べるため、サンバダンスを題材として上達過程を調査した。実験では二名の方にご協力いただき、約半年に渡ってダンス教室に通ってもらいながら適宜、身体動作をモーションキャプチャ装置で測定・記録した。実験の結果、リズム感を身につけていく過程を身体動作に基づいて分析できる可能性を見出した。平成18年度は実験参加者の数を増やして、上達過程についてさらに調べる予定である。また身体技能の転移についても調べた。実験ではサッカー部部員5名に三ヶ月に渡ってサンバダンスを習ってもらい、サッカーの技能が向上するかどうかを調べた。研究の結果、ダンス技能の習得がサッカー技能に好影響を及ぼすことがわかった。 本年度はまたモーションキャプチャ装置以外の測定手段について調査した。シェーカーによるサンバの演奏に関しては、熟練者では手首が脱力し、受動的運動になっているという仮説がほぼ確からしいと思われ、確実に検証するためにモーションキャプチャ装置では得られないデータの収集が必要となった。実験系を確立し、成果を出すには実験開始後1年は必要であるため、筋電位や加速度などの実験方法および世界の研究の進展に関する情報の収集が緊急に必要であった。そのため山本がthe 20^<th> International Society of Biomechanicsに参加し、研究動向を調査した。
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