2007 Fiscal Year Annual Research Report
身体動作の時空間的分節化にもとづいた身体技能の習得支援方法の研究
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17500090
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Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
藤波 努 Japan Advanced Institute of Science and Technology, 知識科学研究科, 准教授 (70303344)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 知幸 北陸先端科学技術大学院大学, 知識科学研究科, 助教 (90345653)
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Keywords | 技能習得 / 熟練者 / クラシック音楽 / 歌唱 |
Research Abstract |
最終年度となる平成19年度は技能習得の支援方法を中心に研究した。技能習得の過程では学習者が行った動作に対してフィードバックを与えることが重要であるが,その与え方について様々な工夫を試みた。ひとつの調査は評価尺度の粒度に関するものであり,荒過ぎることも細かすぎることもない適切な粒度が存在することを確認した。また学習者が行った動作の評価を提示する方法についても調査した。実験の結果,結果の善し悪しだけでなく,動作の特徴を視覚的に示すことで学習が効果的に行われることを見いだした。 最終年度は産業への応用も意識し,スーパーマーケットの精肉部門にご協力いただいて包丁で肉を切る動作を調査した。小売業では,人材の高い流動性とコスト削減の圧力から人材育成(技能習得)の支援に対して期待が大きいからである。調査の結果,熟練者は動作が安定性し,無駄のない動きになっていることがわかった。高い作業効率と持久力(疲れにくさ)を両立させるために,自然に身についた動作と思われた。しかし,具体的な技能習得支援方法は将来の課題として残った。 新たな題材としてクラシック音楽における歌唱の技能を調査した。実験ではプロとして活躍する歌手が自ら発声方法を制御し,歌い方の違いが聴き手にどのような影響を及ぼすかを調べた。この研究を通して,技能は三つの異なった側面から並行して研究すべきことを実感した。すなわち,歌い手自身の主観的な感覚,聴き手が受け取った印象,センサーによって測定できた物理量の三点である。これらはそれぞれ主観的,間主観的,および客観的視点と言い換えられる。歌い方の違いは聴き手にもはっきりと感じ取られたばかりでなく,特殊なセンサーを使って体表振動を測定した結果,通常の発声方法よりも明らかに強い共鳴現象が起きていることが確認できた。以上より,具体的なデータを参照しながら歌唱技能を指導できる可能性を示した。
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Research Products
(9 results)