2006 Fiscal Year Annual Research Report
3項間インタラクションを通した認知発達メカニズムの構成的解明
Project/Area Number |
17500093
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
岡 夏樹 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 教授 (20362585)
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Keywords | インタラクション / 認知発達 / 言語獲得 / 意図推定 / 機械学習 / 意味 / ロボット |
Research Abstract |
1.実験環境の拡充 実験環境の拡充として、計算機を1台購入し、計算機周辺機器の増強を行い、実験環境ソフトウェアの改良、拡張を実施した。 2.心理実験 仮想空間内、実空間内の各実験環壇における「人」-「システム」-「環境」の3項間のインタラクションの様子を種々の条件の下で記録、観察、分析した。さらに、この分析に基づいて上記の実験環境、および、下記の学習システムを改良した。 3.個々の場面における個々の学習システムの構築と評価・改良 (1)人と犬型ロボットが、人とペットのようなインタラクションを行う場面において、そのインタラクションを通じて、生き物のように感じられる学習を行うシステムを構築し、特に、ロボットの感情表出のタイミングがユーザとのインタラクションに与える影響について評価した。 (2)車輪移動ロボットが人とのインタラクションを活用して目標動作を獲得する場面において、自律的学習とアドバイスに基づく学習の組合せ手法を考案し、環境が変化する場合でもアドバイスが有効に働くことを確認した。 (3)ボール遊び場面において、相手の意図を推定して模倣を行うアルゴリズムを考案し、十分とは言えないがある程度の精度で模倣できることを確認した。 (4)自然な発話がなされるロボット誘導場面において、非明示の情報を利用して発話の意味を学習するシステムを構築し、非明示の情報の利用により学習速度が統計的に有意に向上することを明らかにした。 (5)自然な発話がなされる、,仮想空間内のエージェント誘導場面において、少数の偏ったデータから言葉の意味を学習できるアルゴリズムを考案し、従来のヒューリスティックな方法と比べて学習精度がよいことを明らかにした。また、同場面において、最終行動に着目する意味学習アルゴリズムを考案し、有効性を示した。 (6)自然な音声発話から、意味学習の対象となるフレーズ候補を切り出すアルゴリズムを考案し、評価した。
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