2008 Fiscal Year Annual Research Report
3項間インタラクションを通した認知発達メカニズムの構成的解明
Project/Area Number |
17500093
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
岡 夏樹 Kyoto Institute of Technology, 工芸科学研究科, 教授 (20362585)
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Keywords | 機械学習 / 認知科学 / 人工知能 / 知能ロボティクス / エージェント |
Research Abstract |
「人」-「ロボットやエージェント」-「環境」の3項間インタラクションを通した認知発達メカニズムの解明に向けて、以下の研究を実施した。 1. 人とロボットが日常的な遊びをする場面において、scaffolding(足場づくり)に注目して、「基本的なインタラクションの仕方の獲得が、さらに次の高度なインタラクションの仕方の獲得を促進する」ことを実現するメカニズムの一部をロボットに実装し、インタラクションの様子の観察・分析により、scaffoldingが生じ、その一部をロボットが利用できることを示した。 2. 人とロボットがインタラクションする場面において、ロボットの応答遅れを、ロボットの学習の進行に合わせて制御することにより、学習速度が向上し、教えやすさの印象も良くなることを実験的に示した。 3. 人がロボットやエージェントを誘導する場面において、「人の音声から意味を付与すべきフレーズの候補を切り出し、得られたフレーズ候補に対して共起性や報酬に基づいて機能的な意味を付与するアルゴリズム」の全体を実装し、ある程度の精度でフレーズの切出しと意味づけができることを示した。また、同場面において、言葉の学習と行動の学習が、互いの学習を加速し合いながら進行することを実験的に示した。 4. ニューラルネット・モジュールの組換えを基本演算とする計算機構をロボットに実装し、繰返し予測を行うことにより、行動学習の能力が既存の手法と比べて向上することを示した。さらに、モジュール組換えアーキテクチャを用いて、人とロボットの間のインタラクションを通じてモジュールの組換え系列を獲得するアルゴリズムを考案し、獲得可能であることを実験的に示した。
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