2005 Fiscal Year Annual Research Report
2個の指向性センサを用いた2次元方向分解能を有するロボット聴覚の開発
Project/Area Number |
17500104
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
永田 仁史 岩手大学, 工学部, 助教授 (40301030)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安倍 正人 岩手大学, 工学部, 教授 (00159443)
藤岡 豊太 岩手大学, 工学部, 助手 (60292174)
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Keywords | 音源方向推定 / 指向性 / 2チャネル / 頭部伝達関数 / 耳骨モデル / 2次元方向推定 / ロボット聴覚 / 重みつきウィナー利得 |
Research Abstract |
・本研究で拠所としている重みつきウィナー利得に基づく2chの音源方向推定法に関し、一般的な指向性マイクロホンを音響センサとして用いた場合についてシミュレーションにより性能評価した。この結果、方向推定法として一般的な一般化相互相関関数(GCC)や高分解能推定法(MUSIC, MV)に比べ、複数音源の環境下における推定精度が1次元(方位角のみ)、2次元(方位角-仰角)の両方において格段に優れていることが確認できた。手法提案とともにこの結果を国際学術雑誌(IEEE Transactions on Audio, Speech and Language Processing)に投稿し、採録決定となった(2006/03/24)。決定直後であるため、採録時期は現在未定である。 ・2chセンサが人間の聴覚である場合の本音源方向推定法の有効性評価のため、公開されている頭部伝達関数(名古屋大学板倉研究室のデータ)を用いた音源方向推定実験を行った。これは、ロボットが人間を模した形状である場合に、ロボット聴覚として本手法がどのような性能を有するかを評価するためでもある。この結果、複数音源の環境においては、比較した従来手法のすべてが有効な推定が行えなかったのに対し、本手法だけが有効な方向推定性能を与えることが確認できた。この結果を電子情報通信学会聴覚研究会において口頭発表した。 ・耳介や外耳道の向きと音響的な指向性の関係、および、鼓膜位置における指向性測定を目的とし、精密な耳骨モデルを含む4人の被験者の頭部モデルを作成した。頭部モデルは、浜松医科大の研究者の協力によりCT撮影した耳骨形状データとレーザ測定による頭部形状データを統合して作成した。このモデルは、来年度、耳の指向性測定において使用する。
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