2007 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者の知覚・身体機能の測定とそのデータに基づく高齢ドライバの再教育・訓練方法
Project/Area Number |
17500125
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Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
中野 倫明 Meijo University, 理工学部, 教授 (70329770)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 新 名城大学, 理工学部, 教授 (90288564)
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Keywords | 高齢者 / 交通事故 / 運転能力 / 視覚 / 認知・判断 / 測定 / 運転適性 / シミュレータ |
Research Abstract |
1)運転負荷を与えた場合の高齢ドライバの「感覚・知覚」と「認知・判断」機能の測定技術の開発 高齢ドライバの運転能力(視覚などの「感覚・知覚」機能と注意などの「認知・判断」機能)のうち,有効視野,老人性白内障を考慮した静止視力(視覚機能)および交差点付近での注意力(認知・判断機能)が重要であり,加齢によりこれらの機能の低下が顕著であることを実験的に検証した.これらの諸機能に限定し,自動車教習所で活用することを想定したコンパクトな運転シミュレータ(運転能力測定システムとよぶ)をメーカと共同で開発した.この測定システムでは,従来の特殊な運転場面(歩行者飛出しへの反応など)だけでなく,通常の市街地等の運転を模擬体験でき,運転という負荷がある状況で視野や注意力の低下を測定・評価できる点が新規かつ有用な特徴である. この測定システムを用いて,シルバー人材センター等で評価実験を実施し,高齢者の運転能力を診断できることを検証した.また,並行して認知機能の検査を行い,認知症の可能性のある高齢者の運転行動の特徴を把握することができた.今後,認知症専門医と連携して,この測定システムによる認知症スクリーニング技術の開発,ならびに認知症と運転の安全に関するガイドラインづくりを進める予定である. 2)高齢ドライバの「感覚・知覚」と「認知・判断」機能の再教育・訓練技術の開発 加齢に伴う運転能力低下のうち,再教育・訓練で向上の見込みのある「感覚・知覚」と「認知・判断」機能を調査し,それらの機能の訓練効果について基礎検討した.市販ゲーム機と視覚や認知に関するトレーニングソフトを使用し,高齢者に対して約1ヶ月の訓練を試みた.上記の運転能力測定システムにより訓練前後の各機能を比較したところ,有意な訓練効果が認められた.今後,トレーニング方法を再検討して運転との相関の強い方式を開発し,訓練効果を検証してシステム化を計る予定である.
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