2006 Fiscal Year Annual Research Report
共進化マルチロボットシステムのための構造進化型人工神経回路網に関する研究
Project/Area Number |
17500144
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Research Institution | HIROSHIMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
大倉 和博 広島大学, 大学院工学研究科, 教授 (40252788)
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Keywords | ソフトコンピューティング / 知能ロボティクス / エージェント / 人工知能 / 知能機械 |
Research Abstract |
"エージェント"と抽象化して呼ばれる人工物の知能化を目指して,様々なアプローチがなされている.その中でも,1987年にLangtonによって提唱された人工生命(A-Life)に基づくアプローチは,1990年代に盛んに脚光を浴びたが,現在,やっと本来の学術的落ち着きを取り戻してきたと言える.この状況で,着実に浮かび上がってきた領域の一つに進化ロボティクス(ER)がある.研究代表者は,この分野の飛躍的発展のためには,以下に示す3つの重要課題があることを指摘するとともに,それらの解決法を本研究で示した. ・課題(1):「ERに進化アルゴリズムの伝統的理論体系が適用できない」 これに対し,研究代表者は,新しい永続的人工進化論の必要性を説き,分子進化の中立説に動機付けられた実効突然変異率および淘汰圧の自律的調整機構を持つ新しい進化アルゴリズムを構築し,永続的人工進化論の構築に貢献した. ・課題(2):「EAの各個体となる構造進化型人工神経回路網の遺伝子型から冗長性を排除しコンパクトに表現することが実質的に不可能」 これに対し,世界的に高く評価されているNEATと呼ばれるTWEANN手法よりも,さらに頑健で高速なMBEANNという手法を構築し,その性能をベンチマークである二重倒立振子問題にて検証するとともに,共進化マルチロボットシステムに適用し,協調荷押し問題においてその有効性を検証した. ・課題(3):「ERに適した計算資源供給のための枠組みが無い」 これに対し,人工共進化に適用分野を特化して効率的かつ適応的な計算グリッドシステムを構築し,R3Qと呼ぶ新しいタスク・スケジューリング・アルゴリズムを開発するとともにWAN環境に実装して実証実験を行うことにより,その有効性を検証した.
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Research Products
(6 results)