2005 Fiscal Year Annual Research Report
ベイズ神経回路網の学習と隠れマルコフ鎖推定への応用の研究
Project/Area Number |
17500153
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
伊藤 嘉房 愛知学院大学, 情報社会政策学部, 教授 (10022774)
|
Keywords | ベイズ神経回路網 / 判別関数 / 関数近似 / 多項式 |
Research Abstract |
ベイズ神経回路網はデータの事後確率を近似する能力を持つ。隠れマルコフ鎖においては、状態の連鎖はマルコフ鎖であるが、観察されるのは状態によって決定される事後確率にしたがって発生するデータの連鎖のみである。観察されるデータ鎖をもとに、隠れている状態変化のマルコフ鎖を推定する事は応用上重要である。われわれの研究はこの推定にベイズ神経回路網を利用しようとするものである。 本年度、出版された研究成果は、その基礎となるベイズ神経回路網の研究結果(Neurocomputing)、その際に必要な多項式に関する研究(Math.Scentist)、および、状態変化に対応し得るベイズ神経回路網に関する研究結果である(ICANN2005)。最初の論文はベイズ神経回路網が比較的少数の素子を持った神経回路網によって実現されることを証明したものである。隠れマルコフ鎖は状態変化の連鎖なので、最後の論文は今後の研究にとって特に重要である。異なる各状態に対して、ベイズ神経回路網をそれぞれ個別に用意する必要はなく、一つの神経回路網で異なる状態のベイズ判別関数を近似し得る事、およびそれが回路網の学習により達成される事を証明した。 状態を推定するには判別関数が使われる。それを神経回路網によって近似する事は、この研究にとって本質的であるが、本年度のこれまでの研究の一つとして、マハラノビス判別関数の神経回路網による近似の研究を行った。神経回路網が学習によってこの判別関数を近似し得る事を証明したので、その結果をまとめて国際学会ICANN06に投稿した。受理されれば、従来のわれわれの研究と同様にSpringerのレクチャーノートLNCSに収録される。もう一つの研究は、多項式が全空間において有限個の活性化関数の和によって近似される事を証明したものである。神経回路網の関数近似能力に関して重要な研究結果と考える。研究は終了し、論文にまとめつつある段階である。
|
Research Products
(3 results)