2007 Fiscal Year Annual Research Report
遠離島における情報ネットワークと情報発信の可能性に関する研究
Project/Area Number |
17500168
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Research Institution | Kumamoto Gakuen University |
Principal Investigator |
守弘 仁志 Kumamoto Gakuen University, 社会福祉学部, 教授 (90230143)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
天野 哲夫 熊本学園大学, 商学部, 教授 (60152211)
梅津 顕一郎 呉大学, 社会情報学部, 准教授 (90281526)
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Keywords | 社会学 / 社会情報 / 遠離島 / 情報化 / 地域づくり |
Research Abstract |
平成19年度は前半期において、これまで現地聞き取り調査を続けてきた沖縄県島尻郡南北大東村、平成18年度に調査を実施した座間味村の研究結果を中間総括した。本年度は、ブロードバンド化が先行した地域の導入後の効果とその現状を調査するため、沖縄県八重山地区に調査対象地を決定し、11月と2月の2回の現地調査を実施した。その結果としては、八重山地区の石垣市は、目本の最南端の地区であり約5万人の人口を抱え、高名なリゾート地区であるにもかかわらず、沖縄本島・宮古島間が海域のために通信中継設備を設けられず情報通信基盤整備が進展しない離島地区であった。しかし総務省を主体とする調査事業の後、NTT西日本が光ケーブルの整備事業を行い、2005年3月よりインターネット接続サービスが実施された。同市の特徴であるリゾート産業への効果の他、本土などからのコールセンターなど情報企業の進出、他地域からの移住者のコミュニケーションにおいて大きな効果があったことが聴き取り調査により確認された。さらに、従来からCATVインターネットを実施しているCATV事業者への聴き取り、ブロードバンド化と同時に実施された沖縄県域ラジオ放送の再送信の開始の中で19年に開局したコミュニティFM放送局の聞き取り調査などの結果、石垣地区島内一周ルートのブロードバンド化も19度末に完成予定であり、島内の情報格差が解消される見込みがあることが理解された。また現地の観光業者、農林水産業者などの聞き取り調査から観光業のみならず特産の農作物(果物)、石垣牛の販売への効果があったことが確認された。さらに、八重山地区の竹富町でも光ケーブルと無線通信の併用で平成19年度末までには主な地区でのブロードバンド化が可能になることなどが聞き取り調査から得られ、衛星や無線などの併用により広い地区へのブロードバンド化が進む可能性のあることがわかった。
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Research Products
(2 results)