2005 Fiscal Year Annual Research Report
コミュニケーションにおける「心の理論」と社会的認知の相互的発達の検証
Project/Area Number |
17500172
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
正高 信男 京都大学, 霊長類研究所, 教授 (60192746)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松井 智子 京都大学, 霊長類研究所, 助教授 (20296792)
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Keywords | 心の理論 / コミュニケーション能力 / 社会認知 / 語彙獲得 / 確信度 |
Research Abstract |
本研究は、2歳から4歳までに発達するとされる潜在的な信念の理解が、コミュニケーションによって促進されると仮定し、特に子供が信頼できる情報とそうでない情報を区別できるようになる時期を特定することを目的としている。言語的に示唆される話者の確信度の理解が可能になる時期と、非言語的な方法で示唆される確信度の理解ができる時期とを比較的に調査することが狙いである。研究代表者は実験環境の整備、実施を担当、分担者は理論的モデルの確立と仮説の明確化、実験方法の決定を担当した。パイロット実験の結果、日本人は3歳の段階で文末助詞「よ」「かな」によって示唆される話者の確信度を理解できることが明らかになった。また、そのことを利用して、誤信念課題に発話を含めたものを新たに開発し実験してみたところ、発話に「よ」が含まれている場合、3歳児の誤信念課題の成績が上がることがわかった。分担者は7月に海外の研究協力者、Deirdre Wilson, Michael Tomaselloと討議を重ねたほか、それまでのパイロット実験の報告を以下の二つの学会で報告し、貴重なフィードバックを得ることができた(The 9th International Pragmatics Conference ; The 10th International Congress for the Study of Child Language)。これら学会発表で受けたフィードバックと、海外研究協力者との打ち合わせの結果、発話を含めた誤信念課題をドイツ人の3歳児を対象に実施することが決まり、現在パイロット実験が行われている。さらに、年度後半に行った非言語的に示唆された話者の確信度の理解に関するパイロット実験の成果を来年度の学会発表で報告することが決まっている(Cognitive Science Society 2006 Meeting)。
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Research Products
(4 results)