2006 Fiscal Year Annual Research Report
競合的な知覚対象への注意の配分量の違いは知覚の選択機構に影響するか
Project/Area Number |
17500173
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
浅田 博 大阪府立大学, 総合教育研究機構, 講師 (50151030)
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Keywords | 注意レベル / 前頭部シータ律動 / 両眼性競合 / 知覚抑制 / ヘッドマウントディスプレイ / テレビゲーム / 文字認知 / P300 |
Research Abstract |
前年度のFmθ出現者の中から1秒以上続くFmθ律動を記録した被験者について、抑制眼の文字認知とFmθ律動との関係についてさらに検討を行うため、文字刺激に対する誘発電位を比較した。 文字を50msec提示したときの文字刺激に対する誘発電位を比較した。抑制眼への文字刺激認知時には、文字刺激に対する早い電位成分と遅い電位成分が見られたのに対し、文字が認知できなかったあるいは文字に気がつかなかったときには、早い誘発電位成分からすでに消失し、かわりにP300様の電位成分が出現した。このときゲームに夢中で文字に全く気がつかなかった、あるいは中央で光ったのはわかったが何の文字かわからなかったとの内省報告を得た。文字認知のできなかったときに生じたP300様の活動成分は新奇性P300(novelty P300)である可能性が考えられた。 そこで122ch脳磁計を用いて、磁気シールド室外よりのプロジェクタによる同様の刺激画面を用いた両眼性競合実験を行い、誘発磁場を計測した。脳波記録時の電位成分に対応した磁場成分が得られたが、電流源推定は1名において早い成分においてg値80%でV1に電流源が求められたのみであった。 今後のP300様活動の活動源のさらなる研究が必要であるが、本年度の結果は、Fmθ律動の継続すなわち、優勢眼への注意レベルがある程度維持されているとき、抑制眼に入力された刺激の情報処理に関係する神経事象の抑制がV1レベルまでですでに行われていることを示唆する。ただし非認知時でも入力情報の一部は無意識下に処理されてP30o様活動を生じていると考えられる結果であった。
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Research Products
(2 results)