2005 Fiscal Year Annual Research Report
運動神経の成長円錐ガイダンス・軸索分岐・神経筋結合における包括的な制御機構の解析
Project/Area Number |
17500198
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
東海林 亙 東北大学, 加齢医学研究所, 助手 (40250831)
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Keywords | 成長円錐 / 軸索ガイダンス / セマフォリン / ゼブラフィッシュ |
Research Abstract |
これまでの研究結果から私たちは、軸索ガイド因子Sema3aがゼブラフィッシュ脊髄でCaPと呼ばれるパイオニア運動神経を特異的に反発し、その成長円錐を伸展経路途上のチョイスポイントと呼ばれる位置に導く作用を持つことを予測していた。この仮説をSema3aおよびNeuripilin1のノックダウン実験により検証したところ、予想通り軸索ガイダンスのエラーを見いだすと同時に、これまでの研究でははっきりしていなかった、セマフォリンの新たな作用を発見した。 その一つは、Sema3a/neuropilin1のノックダウン胚では軸索に多数の異常なフィロポディアが生じることを見いだし、さらにこれが過剰な軸索側鎖を形成するプロセスを明らかにしたことである。これまでのノックアウトマウスの研究から、セマフォリン非存在下では軸索の非束状化の起きることが知られていたが、本研究はこれに加えて、セマフォリン・シグナルがフィロポディアの抑制を通して側鎖形成をコントロールすることを新たに示したものといえる。2つめの発見はノックダウン胚では軸索伸長の一時停止が見られなくなったことがあげられる。正しい軸索ガイダンスを実現するために、多くの神経で中間標的との結合、その場での軸索伸長伸長の停止が報告されている。CaPの場合は、チョイスポイントと呼ばれる場所での一時停止とそこでのパイオニア筋管細胞とのコンタクトが神経細胞および軸索の維持に重要であり、これがセマフォリンにより制御されていることを明らかにした。私たちの発見は、軸索ガイダンス因子が一時停止のシグナルとしても作用することを示す初めての例である。
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Research Products
(1 results)