2006 Fiscal Year Annual Research Report
可視化エストロジェン感受性ニューロンを用いたエストロジェン多機能性の解明
Project/Area Number |
17500215
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
濱田 知宏 日本医科大学, 医学部, 助手 (90312058)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐久間 康夫 日本医科大学, 大学院医学研究科, 教授 (70094307)
木山 裕子 日本医科大学, 医学部, 講師 (60234390)
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Keywords | エストロジェン / エストロジェン受容体 / 遺伝子プロモーター / トランスジェニック / 性的二型核 / 性分化 |
Research Abstract |
我々はこれまでにα型エストロジェン受容体遺伝子プロモーターO/B活性依存的にEGFPを発現するトランスジェニックラットの作出に成功し、エストロジェン応答神経細胞の可視化を現実のものとした。この動物では脳内の様々な部位でEGFPの発現が観察されるが、特に視床下部性的二型核を特異的に可視化できることが以下のように示された。1)この神経核は雌に比べ雄で有意に大きいことが知られているが、EGFP発現細胞数および領域ともに雌に比べ雄で大きいこと。2)この神経核は周生期のステロイドホルモンの影響で性差が発現することが知られているが、出生日の雌仔にエストロジェンを単回投与することにより、この領域のEGFP発現の雄性化がおこること。3)視床下部性的二型核のマーカーとして知られているカルシウム結合蛋白であるカルビンディンの発現と、この領域のEGFP発現が良く一致すること。4)この領域のEGFP発現とα型エストロジェン受容体発現が良く一致することなどが明らかとなった。これらの結果から視床下部性的二型核の性差が、複数存在するα型エストロジェン受容体遺伝子プロモーターのうち、O/Bが関与した受容体発現によることと、この領域のEGFP発現が、in vivoにおける性的二型核の新規特異的マーカーとして活用できることが示唆された。現在、このEGFP発現を性的二型核マーカーとして活用し、これまでほとんど明らかになっていなかったこの神経核ニューロンの膜特性、投射先、機能、更に性分化のメカニズムについて研究を進めているところである。
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