2005 Fiscal Year Annual Research Report
ストレス反応に関与する神経回路における神経ペプチドの役割-機能形態学的解析
Project/Area Number |
17500223
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
大竹 一嘉 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (10168966)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和泉 正英 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (70262186)
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Keywords | 神経ペプチド / 視床下部背内側核 / 背内側核視床正中核 / ラット / ストレス / 神経回路 |
Research Abstract |
神経ペプチドのコレシストキニン(CCK)はストレス反応において重要な役割を果たしていることが知られている。CCKを含有した神経終末は、ストレス下において神経活動の上昇を示す部位である視床の正中核群に豊富に分布することが報告されており、我々はその起始を明らかにするためにラット(SD系)を用いた実験を行い、視床下部背内側核、エディンガー・ウエストファール核のCCK陽性細胞が視床正中核群に投射線維を送っているのが明らかになった。視床下部背内側核は情動ストレスに対する自律神経性・内分泌性反応を統合する機能があるという報告があり、この核から視床正中核群へのCCK陽性線維の投射はストレス反応に関与する神経回路において重要な役割を果たす可能性も示唆する。視床下部背内側核は亜核に分かれるが、視床に投射するCCK含有ニューロンは主として緻密部に分布していた。また、これらCCK含有ニューロンにはグルタメートも含有されている可能性も示唆された。ラットに拘束ストレスを与え、Fosタンパクの発現を指標にして神経活動を調べると、この視床下部領域はストレス下ではむしろ抑制され、一方、その周囲に分布するGABA含有ニューロンは逆に賦活されていることも明らかになった。現在、CCK含有ニューロンに対するこの抑制がどこに由来するのかを明らかにするための実験が進行中である。また、視床正中核群にはCCKのみならず、その他の神経ペプチド含有線維の分布が報告されているが、その中で、ソマトスタチンおよびニューロテンシン含有投射線維の起始を明らかにするための実験も併せて進行中である。
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