2007 Fiscal Year Annual Research Report
小胞体ストレスとパーキンソニズム発症の関連に関する研究
Project/Area Number |
17500226
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
北尾 康子 Kanazawa University, 医学系研究科, 助教 (00019613)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小川 智 金沢大学, 医学系研究科, 教授 (90283746)
堀 修 金沢大学, 医学系研究科, 准教授 (60303947)
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Keywords | 神経科学 / ストレス / 神経細胞死 / 小胞体 |
Research Abstract |
Parkin GRP78過剰発現によるPaelR依存性神経細胞死の阻止 Prkinは若年性遺伝性パーキンソン病の原因遺伝子の一つであり、ユビキチン架橋酵素として細胞内タンパク分解に関与している。一方、Pael受容体(Parkin associated endothelin like receptor:PaelR)は、ImaiらによりParkinの基質として同定された蛋白質である(Cell. 2001,105;891-902)。PaelRは膜貫通型の受容体であるため小胞体内でタンパク修飾を受け細胞膜に輸送されるが、その構造が極めて複雑であるため、発現によって強い小胞体ストレスが惹起されることが分かっている。平成18年度までに我々は、PaelR遺伝子導入により黒質緻密層(SNpc)に引き起こされる神経細胞死が小胞体機能の脆弱なORP150KOで強くみられることを明らかにしたが、平成H19年度は、この脆弱性がGRP78やParkin遺伝子など、小胞体関連蛋白の強制発現で改善されるか否か検討した。その結果、(1)レスキュー側の線条体にAd/PaelR, Ad/parkin, Ad/EGFPを導入した場合、Ad/PaelRによる神経細胞死は救済された。(2)同様に、レスキュー遺伝子に小胞体ストレス関連蛋白であるGRP78を用いた場合も神経細胞抑制効果を認めた。(3)しかし、レスキュー遺伝子にHSP70iなど細胞質に誘導されるストレス蛋白を用いた場合は、神経細胞抑制効果を認めなかった。以上のことから、Pael受容体由来の神経細胞死には、小胞体ストレスの制御が極めて重要であることが示唆された。
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Research Products
(12 results)