2005 Fiscal Year Annual Research Report
LRRとIgドメインを持つ分子の神経発生過程における機能解析
Project/Area Number |
17500234
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
本間 俊作 福島県立医科大学, 医学部, 講師 (20261795)
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Keywords | LRR / Ig / 一次球心性線維 / 運動ニューロン / in situ hybridization / 脊髄 / ニワトリ胚 |
Research Abstract |
この研究は、leucine-rich repeat(LRR)とimmunoglobulin(Ig)ドメインを同時に持つ膜貫通型分子の、神経系の発生過程に果たす役割を調べることを目的としたものである。上記の2つのドメインを持つ分子は約30種類存在が知られているが、今年度はLINGO-1並びISLR-2と名付けられた2つの分子を中心に調べた。 LINGO-1の発現をニワトリ胚においてin situ hybridization法を用いて調べた結果、boundary cap cellsと呼ばれる、脊髄前根に存在して運動ニューロン細胞体の脊髄からの脱出を抑制している細胞群に発現していることが判った。この細胞群は神経堤に由来することが知られており、実際に神経堤を微少手術で取り除くとLINGO-1の発現が消失し、運動ニューロン細胞体の脱出が起こることが判った。現在、神経堤を除去後、ウイルスベクターを使ってLINGO-1遺伝子を脊髄前根部に発現させ、この細胞体の脱出が抑制されるかどうかを検討している。 ISLR-2の発現をニワトリ胚脊髄においてin situ hybridization法を用いて調べた結果、脊髄神経節からの一次球心性線維の投射領域を中心に発現が見られることが判った。分泌型に改変したISLR-2を発現するCOS細胞と脊髄神経節をコラーゲンゲル内で供培養すると、この分子は球心性線維の伸長を抑制することが判った。また、この改変した分子をin vivoでニワトリ胚脊髄に発現させると、DiIに標識された一次球心性線維の投射パターンに乱れが起こることが判った。現在、この分子の一次球心性線維の伸長や投射パターンの形成に果たす役割をin vitro並びにin vivoにおいてさらに詳しく調べている。
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