2006 Fiscal Year Annual Research Report
LRRとIgドメインを持つ分子の神経発生過程における機能解析
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17500234
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
本間 俊作 福島県立医科大学, 医学部, 講師 (20261795)
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Keywords | LRR / Immunoglobulin / 脊髄神経節 / 一次球心性繊維 / ドメイン / 免疫組織化学 |
Research Abstract |
この研究は、leucine-rich repeat (LRR)とimmunoglobulin (lg)ドメインを同時に持つ分子を公共データベースから網羅的に検索し、得られた分子の発現パターンを発生初期胚において調べ、興味深い発現様式を示すいくつかの分子について神経系の発生過程に果たす役割を調べることを目的としたものである。 データベースの拡充に伴い、新たな検索の結果さらに5個の分子を得ることができ、前年度と併せて32個の分子を同定することができた。これら分子のアミノ酸配列を解析した結果、得られた分子はLRRドメインに加えて、単一もしくは複数個のIgドメインを持つものに大きく2分することができた。単一のIgドメインを持つ分子は神経系を中心に発現が見られる一方で、複数個のIgドメインを持つ分子は神経系を含む幅広い組織における発現を示す特徴が存在した。 本年度は、得られた分子の中でISLR2と名付けられた分子を中心に解析を行った。ISLR2はニワトリ胚脊髄において脊髄神経節からの一次球心性線維の投射領域を中心に発現が観察され、分泌型に改変したISLR2を発現するCOS細胞と脊髄神経節をコラーゲンゲル内で供培養すると、この分子は球心性線維の伸長を抑制することが判った。この抑制作用の機能ドメインマッピングを行なった結果、IgドメインのC末端側に存在するファイブロネクチン様のドメインにその作用があることが判った。 ISLR2の抗体作製も行い、免疫組織化学によりISLR2タンパクの局在部位を調べた。当初細胞膜上に局在を予想したが、実際の染色様式は神経細胞内の小胞上の局在を示したことから、現在得られた抗体の性質を詳細に検討している。
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