2005 Fiscal Year Annual Research Report
網膜視蓋投射形成に機能するプロテインチロシンホスファターゼの機能解析
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17500243
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Research Institution | National Institute for Basic Biology |
Principal Investigator |
新谷 隆史 基礎生物学研究所, 統合神経生物学研究部門, 助手 (10312208)
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Keywords | 網膜 / 視蓋 / 視神経 / 投射 / プロテインホスファターゼ / プロテインキナーゼ / チロシンリン酸化 / 脱リン酸化 |
Research Abstract |
細胞内情報伝達において重要な役割を果たしているタンパク質のチロシンリン酸化は、プロテインチロシンキナーゼ(PTK)とプロテインチロシンホスファターゼ(PTP)の活性のバランスによって決定される。中でも、受容体型のPTKとPTPは、細胞外環境の情報を読み取り細胞内に情報を伝達する上で、重要な役割を担っていると考えられている。しかしながら、受容体型PTPが生体内においてどのような情報伝達系に機能しているかについてはよく分かっていない。これは、PTPの基質分子がほとんど同定されていないことに起因している。受容体型PTKであるEphはephrinをリガンドとして、軸索ガイダンス、細胞移動、脳内の領域特異化、シナプス形成やシナプスの可塑性等、神経系の発生や機能維持において重要な役割を果たしている。網膜神経節細胞に発現するEphは、網膜から視蓋へのtopographicな投射形成において重要な役割を果たすことが知られている。本研究において、Ephを基質とするPTPを探索したところ、受容体型PTPの一つであるPtproがEphのA, B両タイプを共に基質とし、それらの活性を負に制御することを見出した。さらに、生化学的な解析を進めたところ、PtproはEphの活性に重要な役割を果たしている膜貫通ドメイン近傍に存在するリン酸化チロシン残基を脱リン酸化することが判明した。現在、網膜視蓋投射形成におけるPtproの機能について明らかにするために、網膜の器官培養系やニワトリ胚を用いた個体レベルの解析を進めている。
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