2006 Fiscal Year Annual Research Report
タンパク質直接導入法によるオリゴデンドロサイト生存とp38MAPキナーゼの解析
Project/Area Number |
17500262
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
高松 研 東邦大学, 医学部, 教授 (90154898)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浜之上 誠 東邦大学, 医学部, 助手 (00312025)
大澤 郁郎 日本医科大学, 老人病研究所, 講師 (30343586)
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Keywords | オリゴデンドロサイト / p38MAPキナーゼ / アポトーシス / HIV / TAT |
Research Abstract |
オリゴデンドロサイト(OLG)の細胞死(アポトーシス)は脱髄性疾患の成因の一つと考えられ、アポトーシス制御のためのOLG生存機構の解明は疾患の治療及び機能再生という点で重要である。昨年度は、p38MAPキナーゼ(p38 MAPK)が培養OLG及び成体脳に発現していること、細胞膜透過性を有するHIVウィルスのTAT配列融合p38MAPKタンパク質を作製し、培養OLGに導入可能であることを明らかにした。本年度は、p38 MAPK特異的阻害剤及びTAT融合p38 MAPKタンパク質を用いたOLGアポトーシス機構の解析を行った。 生後1日齢ラット脳から調製した培養オリゴデンドロサイト前駆細胞(O2A)細胞、及びこのO2A細胞を成熟分化させた成熟OLGの培養液中にP38 MAPK特異的阻害剤(SB202190,SB203580)を添加し24時間培養し、各々の細胞の生存細胞数を計測した。p38 MAPK特異的阻害剤添加後24時間におけるCNPase陽性成熟OLG数及び細胞内ATP量は、コントロール群に対して著明に減少していた。これに対し、A2B5陽性O2A細胞数及び細胞内ATP量には変動は見られなかった。さらに細胞内カスパーゼ活性測定法及びTUNEL染色法を行ったところ、p38 MAPK特異的阻害剤添加によりアポトーシスが亢進するのは成熟OLGのみであった。このようなp38 MAPK阻害剤による成熟OLGアポトーシス誘導作用は、TAT融合p38 MAPK dominant negativeタンパク質を培養液中に添加した場合にも確認された。以上の結果から、p38MAPKは成熟OLGの生存に必須であるとともに、TAT融合p38 MAPKタンパク質によって直接OLGの生存を制御することが可能であることを示した。現在モデルマウスを用いた詳細な解析を続けている。
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Research Products
(7 results)