2006 Fiscal Year Annual Research Report
依存性薬物による精神依存形成に関与する脳内グリア細胞の役割
Project/Area Number |
17500264
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Research Institution | Hoshi University, School of Pharmacy and pharmaceutical Sciences |
Principal Investigator |
成田 年 星薬科大学, 薬学部, 准教授 (40318613)
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Keywords | グリア細胞 / 精神依存 / 依存性薬物 / アストロサイト / 可塑性 |
Research Abstract |
本研究では、methamphetamine(METH)およびmorphine(MRP)の精神依存形成時におけるアストロサイトの役割を検討した。マウス大脳皮質由来初代培養神経!グリア共培養細胞にMETHおよびMRPを処置することにより認められるアストロサイトの著しい形態変化は、protein kinase C(PKC)阻害薬であるchelerythrineにより抑制された。また、大脳皮質由来初代培養神経/グリア共培養細胞およびアストロサイトにおけるグルタミン酸誘発Ca^<2+>応答は、METH処置により増強された。一方、METHおよびMRP誘発アストロサイトの形態変化はグリア活性調節薬として知られているpropentofylline(PPF)の処置により完全に抑制された。さらに、PPFはMETHおよびMRP誘発報酬効果の形成を抑制した。次に、アストロサイトの培養上清(ACM)をマウスの側坐核領域に微量注入したところ、METHおよびMRP誘発報酬効果の形成は増強された。また、METHを処置したアストロサイトより採取したACM(METH-ACM)をマウスの側坐核領域に微量注入したところ、METH誘発報酬効果の形成はACM処置群と比較して有意に増強された。さらに、METH-ACMに含まれる液性因子の同定を試みたところ、monocyte chemotactic protein-5およびtumor necrosis factor soluble receptor-1発現量の亢進が認められた。 以上、本研究の結果より、METHやMRPといった依存性薬物による薬物依存形成に、PKCを介したアストロサイトの活性化さらには活性化したアストロサイトから放出される液性因子が深く関与していることが明らかとなった。
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Research Products
(11 results)
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[Journal Article] Chronic pain-induced emotional dysfunction is associated with astrogliosis due to cortical δ-opioid receptor dysfunction.2006
Author(s)
Narita M, Kuzumaki N, Narita M, Kaneko C, Hareyama N, Miyatake M, Shindo K, Miyoshi K, Nakajima M, Nagumo Y, Sato F, Wachi H, Seyama Y, Suzuki T
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Journal Title
J.Neurochem. 97
Pages: 1369-1378
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