2006 Fiscal Year Annual Research Report
軸索再生を調節する因子の作用機構解明-損傷からの機能修復を目指して-
Project/Area Number |
17500267
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research |
Principal Investigator |
三五 一憲 (財)東京都医学研究機構, 東京都神経科学総合研究所, 副参事研究員 (50291943)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川野 仁 (財)東京都医学研究機構, 東京都神経科学総合研究所, 副参事研究員 (20161341)
堀江 秀典 早稲田大学, 総合研究機構, 教授 (80046135)
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Keywords | 軸索再生 / ガレクチン-1 / 毛様体神経栄養因子 / 神経組織培養 / 脊髄後根神経節細胞 / シュワン細胞 / シグナル伝達系 / マクロファージ |
Research Abstract |
1.酸化型ガレクチン-1による軸索再生促進の機構解明 免疫組織化学により、成熟ラット脊髄後根神経節(DRG)のグリア細胞株由来神経栄養因子(GDNF)依存性小径ニューロン(GDNF受容体RETやGFRαを発現)にガレクチン-1が強く発現していることを明らかにした。またDRGニューロンの分散培養系で、ニューロンならびにシュワン細胞からガレクチン-1が分泌され、酸化型に変換された後マクロファージに結合することを明らかにした。ラット腹腔マクロファージの培養系に酸化型ガレクチン-1を投与することにより、インターロイキン6(IL-6)や脳由来神経栄養因子(BDNF)のmRNA発現が有意に上昇した。マクロファージを介した酸化型ガレクチン-1の軸索再生促進作用について、さらに詳しく検討している。 2.毛様体神経栄養因子(CNTF)による軸索再生促進の機構解明 培養液中に投与したリコンビナント・ラットCNTF(50ng/ml)は、分散培養されたDRGニューロンの生存や神経突起伸長を有意に促進し、この効果は抗CNTF抗体(50μg/ml)の同時投与により消失した。CNTF投与5-30分後に転写因子STAT3、ERK、Aktの各リン酸化誘導がみられた。さらにCNTFによる突起伸長促進効果は、Tyrosine kinase(JAK)阻害薬AG490、MAP-kinase阻害薬PD98059、PI3-kinase阻害薬LY294002の各投与により減弱〜消失した。以上よりCNTFの軸索伸長促進作用には、JAK-STAT3、MAPK・ERK、PI3K-Aktの各シグナル伝達系が関与している可能性が示唆された。(第30回日本神経科学大会(平成19年9月、横浜)にて発表予定)
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] Regeneration of nigrostriatal dopaminergic axons by degradation of chondroitin sulfate is accompanied by elimination of the fibrotic scar and glia limitans in the lesion site.2007
Author(s)
Li, H-P, Homma, A., Sango, K., Kawamura, H., Raisman, G., Kawano H.
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Journal Title
Journal of Neuroscience Research 85
Pages: 536-547
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