2005 Fiscal Year Annual Research Report
C反応性蛋白トランスジェニックウサギを用いた動脈硬化の発生機序の解明
Project/Area Number |
17500287
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
森本 正敏 佐賀大学, 総合分析実験センター, 助教授 (90136482)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北嶋 修司 佐賀大学, 総合分析実験センター, 助手 (70284643)
範 江林 山梨大学, 医学部, 教授 (60272192)
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Keywords | 動脈硬化 / 脂質代謝 / C反応性蛋白 / 動物モデル / 遺伝子導入 |
Research Abstract |
平成17年度の主な研究計画であるヒトC反応性蛋白(hCRP)遺伝子導入ウサギの高発現系ラインの作出を行った。 まず,肝特異的にCRPを高発現するように,plivHEG/LE6ベクターにヒトCRP cDNAを挿入したplivLE6-hCRPコンストラクトを新たに作製した。これを,倒立顕微鏡にセットしたマイクロマニュピレーターを用いて,マイクロインジェクション法によりウサギ受精卵前核内に注入した。ウサギ受精卵は,濾胞刺激ホルモン(FSH)もしくは妊馬血清性腺刺激ホルモン(PMSG)を注射して過排卵処理を施した雌ウサギから採取した。28匹の雌ウサギより1013個の卵を採取して受精卵にマイクロインジェクションを行い,このうち453個の胚をヒト絨毛性腺刺激ホルモン(hCG)の注射により偽妊娠を誘導した17匹の仮親ウサギの卵管内に移植した。その結果,10匹が妊娠し,47匹の仔ウサギを出産した。胚移植により生まれた仔ウサギの耳生検を行いgDNAを抽出して,hCRPに特異的なプライマーを用いてPCR法で遺伝子解析を行ったところ,5匹の仔ウサギにhCRP遺伝子が導入されていることが確認された。これらのうち,順調に離乳できた2匹(line A205とA215)の血清中のhCRP蛋白をELISA法により測定したところ,それぞれ50.0mg/L(A205),0.8mg/L(A215)であった。現在,これらのファウンダーウサギを交配し,F1を得て解析を行っているところである。ファウンダーラインA215については,F1ウサギにも導入遺伝子が伝達され,しかも血中にhCRPが産生されていることを確認したが,ファウンダーラインA205については,F1ウサギは得られているが,まだ哺育中であるため解析までは至っていない。今後,以降の実験に必要なF2ウサギの繁殖を大規模に行うとともにF1ウサギを用いてhCRP遺伝子導入ウサギの特徴について基礎的解析を行う予定である。
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Research Products
(4 results)