2005 Fiscal Year Annual Research Report
甲状腺機能低下症ラットrdwの特性解析と治療法開発
Project/Area Number |
17500289
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
古舘 専一 北里大学, 医学部, 助教授 (80095512)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
酒井 康弘 北里大学, 医学部, 助教授 (00050625)
東 貞宏 北里大学, 医学部, 助手 (80348507)
鈴木 信之 北里大学, 医療衛生学部, 助教授 (10050650)
大石 正道 北里大学, 理学部, 講師 (40233027)
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Keywords | 甲状腺機能低下症 / モデル動物 / rdw / 神経 / 大脳皮質 / 海馬 / ドーパミンD2受容体 / CNPase |
Research Abstract |
遺伝性侏儒症ラットrdwはthyroglobulin(Tg)遺伝子の点突然変異であり、この変異は甲状腺腫(goiter)を伴わない細胞内輸送異常で、変異型Tg蛋白は小胞体からゴルジ装置に輸送されることなく、小胞体に蓄積される一種の小胞体蓄積病であることを明らかにしている。この点突然変異を起こした部位は動物種を越えて保存されており、蛋白質の高次構造を変えるものであり、そのため分子シャペロン等の蓄積も観察されている。ラットrdw系で明らかになった変異は現在まで報告されたことのないTg遺伝子変異である。rdwはヒトの甲状腺機能低下症(クレチン症)のモデルとなると推察される。 本年度はrdwの特性解析の一環として甲状腺機能低下症の知能発育・知的障害の背景に関与する神経系の異常について解析した。rdwにおいて大脳皮質でミエリン形成に関与する(2',3'-Cyclic nucleotide 3'-phosphohydrolase)CNPase活性を調べたところ、大脳皮質CNPaseの減少を認めた。更に、知的障害の背景に関与すると推察されるドーパミンD2受容体の異常興奮性があることを見出した。また、海馬において甲状腺ホルモンによりドーパミンD2受容体が興奮性から抑制性へ転換することを見出した。更に、rdwの繁殖性を甲状腺粉末添加飼料の給与、甲状腺移植により改善することにより、rdwの病因について明らかにすると同時に治療法も開発した。
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Research Products
(3 results)