2006 Fiscal Year Annual Research Report
甲状腺機能低下症ラットrdwの特性解析と治療法開発
Project/Area Number |
17500289
|
Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
古舘 専一 北里大学, 医学部, 助教授 (80095512)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
酒井 康弘 北里大学, 医学部, 助教授 (00050625)
東 貞宏 北里大学, 医学部, 助手 (80348507)
鈴木 信之 北里大学, 医療衛生学部, 助教授 (10050650)
大石 正道 北里大学, 理学部, 講師 (40233027)
|
Keywords | 甲状腺機能低下症 / rdw / モデル動物 / thyroglobulin / non-goiter / 分子シャペロン / Tpo / ERp72 |
Research Abstract |
1.rdwラットでは、thyrogulobulin (Tg)のG2320R変異が甲状腺機能低下症に関与しており、小胞体(ER)には分子シャペロンが増加し、Tgと分子シャペロンの結合し、TgがERからゴルジ体に移動できずに、ERに貯留して小胞体の膨大化をもたらしていると考えられている。本年度は、G2320Rの変異をもつTgが、thyroxineの合成を伴わないでER内に貯留し、フリーのcysteine thiolsに持続的に暴露され、活性化されたERストレスがあるが不完全なER-associated gegradation (ERAD)がないことを明らかにした。 2.統合失調症に代表される認知異常を主症状とする精神疾患はドーパミン受容体やNMDA受容体の機能異常が原因ではないかと考えられている。rdwラットの海馬スライスを用いて電気生理学的実験手法によってドーパミン受容体機能を調べた。その結果、遺伝的hypothyroidismモデルラットの海馬で本来、抑制性に働くはずのドーパミンD_2-like受容体が興奮性に働いていることが分かった。さらに生後発達段階の海馬においてサイロキシン(T4)がドーパミンD_2-like受容体の機能を興奮性から抑制性に変換していることを見出した。次に我々は生後発達段階からT4を過剰に投与したhyperthyroidismモデルラットにおいてドーパミン受容体と同様に認知機能に関与していると考えられているNMDA受容体について電気生理学的解析とNMDA受容体サブユニットの発現量の測定を行った結果、NMDA受容体アゴニストに対する感受性の低下とNR1サブユニットの発現量の低下が観察された。 3.遺伝性の甲状腺ペルオキシダーゼ(Tpo)異常マウスにおいて、甲状腺プロテオーム解析を行い、rdwと類似のプロテオーム動態、即ち、分子シャペロンがTpo遺伝子異常マウスで増加していることを観察した。この分子シャペロン増加とTgとの関係について解析中である。
|
Research Products
(1 results)