2005 Fiscal Year Annual Research Report
セラミクックスのポーリング処理による骨伝導促進効果-臨症応用を目指して-
Project/Area Number |
17500302
|
Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
伊藤 聰一郎 東京医科歯科大学, 疾患遺伝子実験センター, 助教授 (10242190)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
四宮 謙一 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (20111594)
山下 仁大 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 教授 (70174670)
中村 聡 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 助手 (40227898)
|
Keywords | ポーリング処理 / セラミックス材料 / β-リン酸三カルシウム(TCP) / ハイドロキシアパタイトβ-TCP複合体 / 破骨細胞 / 骨芽細胞 / 骨形成 |
Research Abstract |
1.目的 水素イオンが移動し易いハイドロキシアパタイト(HAp)ではポーリング処理により分極状態を維持でき、その負電荷側で骨形成を促進することが報告されている。一方、β-リン酸三カルシウム(TCP)はポーリング処理できないことが知られている。本研究ではポーリング処理したHApとHAp/βTCP複合体の極性が破骨細胞と骨芽細胞、骨形成に及ぼす影響を検討した。 2.方法 Wistar ratの頭蓋骨に骨孔を穿ち、ポーリング処理したHApとHAp/βTCP複合体(セラタイト【○!R】)を以下の如く移植した。1.負電荷面(N-面)が骨膜下、正電荷面(P-面)が硬膜上。2.N-面が硬膜上、P-面が骨膜下。3.未処理の試料(O-面)。骨孔のみをコントロールとした。6,10週後に試料を周辺骨を含め採取し、DXA法で骨密度(BMD)を測定した。非脱灰トルイジンブルー染色、Villanueva-Gorldner染色標本を作製し組織学的観察と骨形態計測を行った。さらにALP、TRAP染色標本を用い骨芽細胞、破骨細胞数を計測した。 3.結果と考察 各群とも硬膜側で骨孔周囲からの骨伸展と、骨デブリスを核とする直接骨化が観察された。しかし、骨膜側では骨形成が起らなかった。骨形態計測の結果よりN-,P-両面(特にN-面)で骨芽細胞の活動が賦活化され新生骨形成が促進されること、P面側では破骨細胞の活動が抑制されることが示された。これはN-面側の電気的Ca^<2+>イオン吸着により骨形成が起こるだけでなく、ポーリング処理により生じた大きな表面荷電が両面で骨元性細胞の活動に直接、間接的に影響を及ぼし、骨形成促進と骨吸収抑制に作用する可能性を示唆している。
|
Research Products
(3 results)