2005 Fiscal Year Annual Research Report
ポリエチレングリコールを用いた酵素タンパク質製剤の薬効の増強
Project/Area Number |
17500319
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Toin University of Yokohama |
Principal Investigator |
小寺 洋 桐蔭横浜大学, 医用工学部, 助教授 (80205426)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西村 裕之 桐蔭横浜大学, 医用工学部, 教授 (60189313)
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Keywords | タンパク質の化学修飾 / クリアランスタイム / ポリエチレングリコール / スーパーオキシドジスムターゼ / コラーゲン関節炎 |
Research Abstract |
本プロジェクトは、薬効を期待できる各種酵素タンパク質に合成高分子ポリエチレングリコール(PEG)を導入することにより、体内停滞時間の延長、抗原性の消失、免疫寛容能の誘導など、様々な生体親和性の向上を目指し、タンパク質薬剤の体内での動態の改善と薬効の向上を目指すものである。初年度は活性中心にマンガン元素をもつスーパーオキシドジスムターゼ(SOD)の化学修飾を行った。Mn-SODは、通常使用されるCu, Zn-SODと比較すると、より長いクリアランスタイムをもつのみならず、フェントン反応による水酸ラジカル生成をしないメリットがある。PEG誘導体を用いて修飾した修飾酵素は未修飾のSOD(血中半減期3hr)に比べ、体内での停滞時間を大きく延長させることに成功した。修飾率を27%から66%まで上げるにつれて、酵素活性は83.3%から41.7%まで低下するものの、それに伴って体内停滞時間は未修飾のSODの約8倍(血中半減期23hr)から18倍(血中半減期52.5hr)にまで延長した。修飾に用いる誘導体の分子量と分子構造を変化させることにより更に長いクリアランスタイムが期待できることも明らかになり、今後更なる検討を行う予定である。一方、コラーゲン関節炎を誘発させたDBA/1マウスに対し、修飾酵素を投与すると関節炎の発症に有意な抑制が見られた。また、生体高分子であるヒアルロン酸を用いた化学修飾も検討し、ヒアルロン酸の活性化の方法や修飾条件の検討を行っている。フェニルアラニンアンモニアリアーゼについても同様の修飾を行い、クリアランスタイムの延長を観察、更に血液中のフェニルアラニンの濃度の低下を確認した。
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Research Products
(3 results)