2006 Fiscal Year Annual Research Report
ポリエチレングリコールを用いた酵素タンパク質製剤の薬効の増強
Project/Area Number |
17500319
|
Research Institution | Toin University of Yokohama |
Principal Investigator |
小寺 洋 桐蔭横浜大学, 医用工学部, 准教授 (80205426)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西村 裕之 桐蔭横浜大学, 医用工学部, 教授 (60189313)
|
Keywords | 酵素 / 生体材料 / タンパク質 / 化学修飾 / 代謝 / クリアランスタイム |
Research Abstract |
本プロジェクトは、薬効を期待できる各種酵素タンパク質に合成高分子ポリエチレングリコール(PEG)を導入することにより、体内停滞時間の延長、抗原性の消失、免疫寛容能の誘導など、様々な生体親和性の向上を目指し、タンパク質薬剤の体内での動態の改善と薬効の向上を目指すものである。 抗炎症性の酵素スーパーオキシドジスムターゼについて、合成高分子PEGによる化学修飾の反応条件の検討を進め、従来用いてきた一本鎖のN-ヒドロキシコハク酸イミドに比べて、二本鎖である誘導体において実験動物の血液中における半減期のより大きな延長を見ることができた。しかしながら、修飾酵素を実験動物に頻回投与したところ、血中半減期の減少が観察され、少なくとも一部の標品について抗原性の消失が不十分であることも明らかになった。今後更なる条件の絞り込みを進め、一連の動物実験に必要な修飾酵素の調製を行っていく。さらに天然の高分子であるヒアルロン酸による化学修飾については、反応の効率が低く、カルボキシル基の活性化など反応経路の更なる検討が必要である。 一方、代謝酵素の欠損症への適用を目指すフェニルアラニンアンモニアリアーゼについても、上述のPEG誘導体による化学修飾を検討したが、特に酵素の弱アルカリ領域下での安定性が悪く、二本鎖のN-ヒドロキシコハク酸イミドの導入について検討を進めている。さらに、修飾抗原の抗原性消失や免疫寛容誘導のメカニズムについても検討を行い、CD4^+Th細胞の関与を示唆する結果を得ている。
|
Research Products
(1 results)