2006 Fiscal Year Annual Research Report
流れを伴う固体壁上でのレジオネラ属菌のバイオフィルム形成機構と薬剤耐性効果の解明
Project/Area Number |
17500324
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Research Institution | Oita National College of Technology |
Principal Investigator |
小西 忠司 大分工業高等専門学校, 機械工学科, 助教授 (00225468)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
後藤 和代 大分大学, 総合科学研究支援センター, 助手 (30381031)
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Keywords | レジオネラ属菌 / バイオフィルム / レジオネラ症 / キャピラリーフローシステム / 薬剤耐性 / 流動式温度勾配 |
Research Abstract |
本研究は,人工水環境におけるレジオネラ属菌のバイオフィルム形成機構および薬剤耐性効果の解明により,レジオネラ症の感染防止対策を提言することを目的とした.実際の温水環境を模擬した流れを伴う配管内壁におけるバイオフィルム形成機構を解明し,さらにバイオフィルムの薬剤に対する防御機構を解明する.上記の目的を達成するために以下の二点に重点をおいた.(1)静止培養系の固体壁でのバイオフィルム形成機構と流動培養液系の固体壁上でのバイオフィルム形成機構を比較して温度条件および流動条件による形成機構の相違を明らかにする.(2)流動培養液系において固体壁上に形成されたバイオフィルムに対する薬剤効果(バイオフィルム内への薬剤浸透性,レジオネラの生存率,バイオフィルムの回復率)と薬剤耐性菌の出現の有無を明らかにする. 研究成果は以下に記す.実際の温水環境を模擬した流動式温度勾配試験装置(Flow type Temperature Gradient Incubator:FTGI)およびレジオネラ培養装置を製作し,性能試験を行った.10cmペトリ皿に培養した寒天培地1枚のレジオネラを培養容器に入れ,48時間好気培養した後,FTGIで培養した.壁面温度と流体温度をそれぞれ37℃,42℃に変化させて,サンプル水を24時間毎に採取して,ATP測定によりレジオネラ菌数の増減を測定した.約48時間後に装置を停止して,壁面スライドガラスにレジオネラのバイオフィルム付着を観察した.採取したバイオフィルムをBacLive/Dead染色および蛍光顕微鏡によりレジオネラ生死菌状態,共焦点レーザー顕微鏡により深さ方向のレジオネラ生死菌状態を観察した.温度37℃と42℃によるバイオフィルム中のレジオネラ生死菌の相違を明らかにした.
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