2005 Fiscal Year Annual Research Report
開心術後の心臓リハビリテーションが細胞性免疫機構に及ぼす効果に関する研究
Project/Area Number |
17500369
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
牧田 茂 埼玉医科大学, 医学部, 助教授 (40316708)
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Keywords | 細胞性免疫 / 開心術 / LVAS / サイトカイン |
Research Abstract |
本年度は急性期に心臓リハビリテーションを経験し、慢性期の安定した状態にある心疾患患者を対象に、細胞性免疫ならびにサイトカインを中心に測定を行った。対象は、開心術約10日後より2週間、院内でAT(anaerobic threshold)レベルの積極的な運動療法を実施し退院後半年以上が経過した心臓術後患者33名(A群、男性28名、女性5名:平均年齢67.8±5.9才)と心筋梗塞後の慢性期通院患者16名(B群、男性15名、女性1名:平均年齢65.2±6.1才)ならびにLVAS(左室補助人工心臓)装着患者6名(C群、男性2名、女性4名:平均年齢32.1±12.5才)の3群について早朝安静時の静脈採血で、細胞性免疫(NK細胞活性)ならびにカテコラミン、コルチゾール、高感度CRP、各種サイトカイン(TNF-α、IFN-γ、IL-6、IL-10)を測定した。LVAS患者のLVAS装着期間は6名とも半年以上経過しており、循環動態は安定しており、週3回ATレベルの自転車こぎを20分から30分実施していた。結果であるが、NK細胞活性は、A群26.4±15.6、B群26.7±10.6、C群12.3±7.2%とC群の低下が認められた。高感度CRPについては、A群4177±7105、B群955±1619、C群11456±17239ng/mLとC群の上昇とA群の高値傾向が認められた。TNF-αに関しては、A群2.2±1.9、B群2.0±1.8、C群2.1±0.5pg/mLと変化なかったが、IFN-γに関しては、A群1.58±1.27、B群2.1±1.5、C群3.0±1.5pg/mL,とC群が高い傾向を示した。一方、IL-10に関しては、A群0.23±0.27、B群0.29±0.35、C群0.36±0.15pg/mLと差が認められなかった。以上よりLVAS患者の免疫機能の異常が推察された。来年度は、開心術後患者の手術前後の免疫機構の変化を追う予定である。
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