2005 Fiscal Year Annual Research Report
マルチディメンジョナル・モデルによる発達性吃音の評価法の開発
Project/Area Number |
17500370
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
原 由紀 北里大学, 医療衛生学部, 助手 (50276185)
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Keywords | 発達性吃音 / マルチディメンジョナル・モデル / 評価法 / レトロスペクティブな分析 / CALMS Model |
Research Abstract |
マルチディメンジョナル・モデルによる発達性吃音の評価法の開発を目指して、本年度は、1.海外調査2.評価項目の作成3.吃音症例のレトロスペクティブな分析を実施した。 1.調査:アメリカにおけるマルチディメンジョナル・モデル(CALMS Model)の提唱者であるネブラスカ大学のDr.Healeyを訪問し、Fluency Centerを見学、CALMS Modelに関する解説を受け、このモデルを構築するに至った背景や実際の評価方法、具体的な症例の評価方法、治療への適用方法に関する情報を得た。評価法の基となった検査法などの収集も行い、日米の相違等に関するディスカッションを行った。CALMS Modelは、Cognitive(吃音の自覚・理解)/Effective(情緒性)/Linguistics(言語力)/Motors(発話技能)/Socials(社会的相互交渉)の5因子に関して下位項目を設定し、あるいは、検査バッテリーを用いて評価を実施し、それを総合して各因子を5段階尺度で評価、そのプロフィールによって、各症例像の特徴を捉え、その後の治療方針を決定するものである。 2.評価項目作成:CALMS Modelを基に評価項目の作成を実施した。吃音の自覚・理解/情緒性の捉え方に関しては、本邦独自の評価基準を要すると考えた。また、CALMS Modelでは因子となっていない「性格・気質」は、吃音の状態像や予後を推測する上で重要と考え、評価基準の作成を実施した。吃音の自覚、吃音の理解、性格・気質、情緒的反応性、言語力、言語力に対する易影響性、発話運動技能、社会的相互交渉などの項目を第1次案として作成した。 3.吃音症例のレトロスペクティブな分析:過去の吃音症例の資料から、上記の評価項目を反映すると思われる情報を抽出し、治療経過や予後との関連を分析するとともに、評価方法としての適切性を検討した。
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Research Products
(2 results)