2005 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者リハビリテーションにおける治療プロセスの統合化の研究
Project/Area Number |
17500375
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
大成 尚 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (60277853)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
翁 嘉華 早稲田大学, 理工学術院, 助手 (40367040)
太田 久彦 日本医科大学, 医学部, 講師 (30307904)
浜田 利満 筑波学院大学, 情報コミュニケーション学部, 教授 (50316642)
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Keywords | リハビリテーション / 認知症治療 / レクレーション |
Research Abstract |
本年度の研究では、認知症を有する高齢者へのリハビリテーションを対象とし、その治療効果の向上を目指している。認知症高齢者は、認知症状の進行に伴い、記憶能力、知的能力、言語能力等の認知機能全般が低下し、さらに、これらの能力低下に付随して、感情コントロールや社会的関係構築などの能力が低下する。認知症を抱える高齢者が多く入居する特別養護施設では、これらの能力の改善や低下防止を目指したリハビリテーションを、レクリエーションという形で行っている。 しかし、レクリエーション実施中や実施後における認知症者の行動や感情表現の変化から、能力低下抑制への影響を評価する方法が確立されていないため、効果的なレクリエーションが実施されていない。 そこで本研究では、レクリエーション実施中での認知症者の行為と、能力改善や低下との関連を把握するモデルを作成した。具体的には、高齢者の行為を構成する作用因子を「身体動作・視線・発語・聴取・思考」の5項目で表現し、5つの作用因子と「記憶能力・知的能力・感情コントロール能力、社会的関係構築能力」との相関モデルを作成した。この相関モデルで示した因果関係の一部について、その存在をレクレーション実施データから確認した。 また、このモデルを基に、能力改善に効果があると考えられる行為を意図的に引き出すことが目指したレクレーションを設計して実施した結果、その行為を引き出すことが可能であることも確認した。この結果から、認知症の症状に応じたレクレーション内容の設計により、認知症の改善や悪化防止に繋がる可能性を確認した。
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Research Products
(2 results)