2005 Fiscal Year Annual Research Report
摂食・嚥下障害者が咀嚼をした時の嚥下動態の解析と臨床評価に関する研究
Project/Area Number |
17500380
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
馬場 尊 藤田保健衛生大学, 衛生学部, 教授 (40298542)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 澄子 藤田保健衛生大学, 衛生学部, 助教授 (10387673)
才藤 栄一 藤田保健衛生大学, 医学部, 教授 (50162186)
藤野 宏紀 藤田保健衛生大学, 医学部, 助手 (20387723)
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Keywords | 脳卒中 / 嚥下 / 咀嚼 / 誤嚥 / 食塊 / 通過時間 |
Research Abstract |
脳卒中例の咀嚼を伴う嚥下に関して,本年度は嚥下反射開始時の食塊先端位置を同定し,同年代の健常人と比較検討した. <対象>摂食・嚥下障害を疑い嚥下造影を施行した,テント上片側脳血管障害30例と,同年代の健常人26例のボランティアを対象とした. <方法>10mlのバリウム液,8gのバリウム含有コンビーフ,5mlのバリウム液と4mlのコンビーフの同時捕食(two phase food)を被験物として摂食させ,嚥下造影側面像を録画,その記録より,パーソナルコンピュータを用いて,嚥下反射開始時の食塊先端位置と,口腔咽頭,喉頭蓋谷,下咽頭の上部,梨状窩底部それぞれの食塊通過時間を計測し,脳卒中群と健常群とで比較検討した. <結果>嚥下反射開始時の食塊先端位置は,two phase foodとバリウム液において有意に脳卒中群の方が尾側であった.コンビーフでは差がなかった.脳卒中群に誤嚥を6例認め,2例がバリウム液,1例がコンビーフ,3例がtwo phase foodであった.健常群には誤嚥を認めなかった.食塊通過時間に関しては両群に差はなかった. <考察>一般に嚥下反射開始時の食塊先端位置は食物に液体成分が多くなるとより深くことが知られているが,脳卒中群ではより深くなる傾向が観察された.これは誤嚥の発生を増す傾向があることを意味し,重要な結果であると考えた.食塊通過時間に関して差はなかった.この結果は食塊の速度に直接関与すると予測される運動機能にあまり差が無く,感覚機能すなわち嚥下反射の惹起性の低下の影響がより大きいことを示唆するものと考えた.
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Research Products
(2 results)