2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17500383
|
Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
手嶋 教之 立命館大学, 理工学部, 助教授 (30288625)
|
Keywords | 福祉機器 / 車いす / クッション / 温湿度 / 快適性 / じょくそう予防 |
Research Abstract |
昨年度の研究により,日本では夏と冬とで気候が異なり,それによってクッションの温湿度条件も異なることが明らかになったが,昨年度は十分に実施できなかった春から初夏において,コントゥアータイプのクッションであるSOLOでの計測を行った.その結果,春や秋の状況を考慮する必要なく,夏季か冬季かの二時期に分けて議論するのが適当であること,室内湿度50%が両者の境界となることが明らかになった.室内湿度の高い夏季ではクッション使用後1時間で湿度100%近くになるケースも多く見られ,その場合にはあとで手で確認するとクッションが濡れていた.一方室内湿度の低い冬季では使用後2時間でも湿度は上がりつづけた.障害をもつ被験者を使ったために2時間以上の連続実験は危険と判断してそれ以上の実験は行っていないが,もしも2時間以上実験を続ければ,そのまま湿度は上昇続けると推測された. また,クッションカバーの比較も行った.同じSOLOクッションに対して,メッシュ構造で湿気を逃がすと宣伝されているカバー,異なるメッシュ構造のカバーに遠赤外線効果があるとされる布を組み合わせたもの,科学的な説明はみつからないが素材の特殊な温熱効果でいつも温度を一定にすると宣伝されているClimatherm素材を用いたカバー,の3種類について比較実験を行った.その結果,夏でも冬でも温度特性も湿度特性も統計的な差は無かった.このことから,クッションカバーは使用時の温湿度特性への影響は小さいことが明らかになった. また,健常被験者でクッション快適性と自律神経系との関係を調べた.現在は様々な実験条件を試しながらデータを収集しているところである.
|