2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17500383
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
手嶋 教之 Ritsumeikan University, 理工学部, 教授 (30288625)
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Keywords | 福祉機器 / 車いす / クッション / 温湿度 / 快適性 / じょくそう予防 |
Research Abstract |
自律神経系と快適性との関係を解明するための実験では、座位姿勢の快適性と自律神経系との関係を調べるために自律神経系に影響するその他の要因を排除することを目指して、実験を行った。その結果、高齢者または車いすユーザを実際に被験者にできるレベルにまでは到達できなかったが、自律神経系の状態の計測の再現性を少し向上させることができた。 座面温湿度の実験として、着衣の素材による座面温湿度および快適性の違いを調べる計測実験を若年健常被験者で行った。その結果、着衣の素材による差はないことが明らかとなった。 クッションの安定性評価指標に関する実験では、実験の詳細を計画中の8月に他の研究機関から目標としていたカメラによる姿勢計測に関する研究成果が報告されたことを知り、計画を変更してカメラ以外で安定性を評価することとして、昨年度に実施した市販のせん断力センサを利用する方式を発展させる計測実験を行った。その結果、昨年度に比較して姿勢の崩れを検出できる可能性が示唆されたが、再現性が極めて低く、まだ問題点が多いことが明らかとなった。 最後に4年間の成果をまとめた。座面温湿度はクッションの状況をある程度表わしているが、主観的な快適性と必ずしも一致するわけではないこと、その人の体質によって快適性の感じ方が異なる可能性があること、などを明らかとした。これによって、証明までには至らなかったが、冷え性などの使用者の体質によって異なるクッションを選定することで、快適性を向上できる可能性があることが明らかとなった。
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