2008 Fiscal Year Annual Research Report
スキー・スノーボードの対人衝突事故における過失割合に関する基礎的研究
Project/Area Number |
17500396
|
Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
水沢 利栄 University of Fukui, 教育地域科学部, 准教授 (70174274)
|
Keywords | スキー / スノーボード / 対人衝突 / 事故 / 過失割合 |
Research Abstract |
スキーーヤー・スノーボーダーの対人衝突事故に関して、衝突の類型ごとに過失割合を認定する基準について試案の作成を試みた。感覚的に判断される過失割合とこれまでの衝突事故の判例で示された過失割合を手がかりとして、衝突場面の類型ごとに基本的な割合を例示した。 対人衝突事故において責任が問題となる場面として、一般的には、(1)上方からの滑走者に責任がある場合、(2)下方の滑走者に責任がある場合、が考えられる。収集事例では下方の滑走者に責任がある場合が少なかったが、急停止の場面等を採用した。これまで下方の滑走者に責任がある場合について具体例を示して検討することができなかったので今回収集できた映像資料は意義があるものとなった。さらに対人衝突の分類としては、(3)立ち止っている者との衝突、これも類型に入れて例示し、立ち止まる場所が適切な場合と不適切な場合に分けた。また、(4)同程度の高度を双方の滑走者が滑走している場合の衝突においても独立した分類が有効であると考え例示した。 以上(1)〜(4)の4つの場面を対人衝突場面における過失割合の認定基準表案作成のための例示とした。 また、対人衝突事故の事故記録の方法として手順をまとめた。衝突事故の責任を実際に扱う場合には、衝突直後の記録が問題となる。そのためにはスキーパトロールが当事者から事情を聴取する記録が非常に重要である。そのことに関して、アメリカのスキーパトロールの事故調査票を元に事故直後の当事者の陳述内容、質問内容、および現場の計測方法や写真撮影の要所について、後に裁判で活用できることを視点にまとめた。我が国の対人衝突事故場面でのちょうさ、記録方法として非常に参考となるものであり、意義があると思われる。
|