2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17500404
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
吉田 伊津美 東京学芸大学, 教育学部, 助教授 (30335955)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉原 隆 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (60015724)
森 司朗 鹿屋体育大学, 体育学部, 助教授 (80200369)
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Keywords | 運動指導 / 幼児 / 運動能力 / 遊び |
Research Abstract |
幼稚園での運動指導の実態を明らかにするために、本研究者らが行った平成14年度の幼児運動能力調査の対象園109園に対し質問紙を郵送し回答を求めた。この質問紙および平成14年度の運動能力の結果より、一斉保育中心・保育の一環として運動指導を多く行っている園および自由保育中心の園を抽出し、それぞれ運動指導場面または自由遊び時間を中心に運動遊びの様子を観察した。観察にはビデオを用い、子どもにはライフコーダを装着し活動量を計測した。さらに園の先生にインタビューを行った。本年度は観察対象園の抽出と観察(一部)が行なわれた。対象園抽出のために行なった質問紙からは以下のことが明らかとなった。 多くの幼稚園で幼児の健康体力づくりなどに高い関心を持ち、その重要性は認識しているものの、実際の指導は体育専門講師に任せており、指導内容も種目を限定したもの、技能の向上を図ることが中心である傾向がみられた。今回調査した約6割の幼稚園に体育専門講師がいることから、保育者自身の健康体力づくりに関する知識や理解が十分でなく、幼児の体育運動活動が特別なものとして考えられていることが示唆された。また、一部の園では健康体力づくりを重要視し、専門の指導者による指導を行なってはいても普段の遊びに結びついていないことから、それらの活動は場面限定、子どもにとっての遊びになっていないことが考えられた。一方、運動会は、約半数の園では普段の遊びの延長、その披露の場として行なわれていたのに対し、あとの約半数の園は普段の遊びとは違った特別の出し物をしており、そのために練習するなどの準備を行なっていた。特に、主要な種目としてあげられていたのは、鼓笛や組体操など練習に要する時間が非常に長かったり、専門性を要することが予測されるものであった(H19保育学会にて発表予定)。 なお、観察は次年度も継続して行ない、園での運動指導の質的な分析を行なう。
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