2005 Fiscal Year Annual Research Report
地域における総合的「身体教育」のための「メディア」の検討
Project/Area Number |
17500408
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
久保 正秋 東海大学, 体育学部, 教授 (30119672)
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Keywords | 身体教育 / メディア / 遊び / 教育的空間 |
Research Abstract |
今年度は研究計画に従って、課題1.総合的「身体教育」における新たな「メディア」の開発:「メディア」となり得る「身体活動」の抽出、課題2.地域の「場」を「教育的空間」として構成するための施策:現状の把握、の検討、及び予備的調査を行った。課題1に関しては、従来、身体教育の「メディア」として中心的存在であるとされてきた「スポーツ(競技スポーツ)」を批判的に検討し、その限界を明らかにした。この成果は「身体教育のメディアとしての『スポーツ』批判」として纏め、「体育・スポーツ哲学研究」に投稿し、受理されている(平成18年5月発刊予定)。さらに、これらの検討によって示唆された身体教育の新たな「メディア」として、「遊具」「乗物」に注目し、その現状の予備的調査を行った(愛媛こどもの城、つま恋ちびっこ広場、修善寺スポーツサイクルセンター、鈴鹿モートピア)。課題2に関しては、「体験」という概念を導入することによって「教育的空間」を構成することを試み、その中でも特に「歩くという行為」に注目した。従来、身体教育では「歩く」ことを「ウオーキング」と称し、その健康増進のための効果が謳われているが、それを超えた教育メディアとしての有効性を本研究では構想している。それ故に今回の予備調査では、「歩く」ことによって意味ある「体験」が生起すると想定される「場」として「世界遺産」を選定し、その現状を調査した(熊野古道、京都)。 これらの検討、予備調査の結果、「身体運動」のみならず、様々な「身体活動」が身体教育の「メディア」として有効となる可能性が示唆された。また、新たな「メディア」は、それが意味ある体験を生じさせるためには、その「場」との関連性において検討される必要が生じてきた。
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