2006 Fiscal Year Annual Research Report
非定常流体力発生メカニズムの解明と水泳の推進力への活用
Project/Area Number |
17500411
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
長谷川 裕晃 秋田大学, 工学資源学部, 講師 (90344770)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松内 一雄 筑波大学, 大学院システム情報工学研究科, 教授 (70111367)
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Keywords | ダイナミックリフト / 非定序流体力 / ピッチング運動 / 揚力 / 抗力 / 三次元翼 / 水泳 |
Research Abstract |
非定常流体力と三次元渦構造の関係を調べるために、前縁形状の異なる三次元模型を使用し定常揚力特性と非定常揚力特性に及ぼす影響について研究を行った。また、実際の泳者による流水プールでの実験では、泳者の手のまわりの流れ場解析と泳者のストローク中の動作解析を同時に行い、泳者の運動との関連付けを行った。 これまでの二次元翼を用いた非定常流体力に関する研究に加え、近年昆虫や鳥の羽ばたきに関する三次元性を考慮した研究も進み、その高揚力化に及ぼす非定常効果の役割が明らかになりつつある。しかしながら、渦構造と非定常揚力の関連はまだ不明な点が多い。さらに、こうした昆虫の羽ばたきなどで扱う非定常性のパラメータである無次元振動数や、流れの特性をあらわすレイノルズ数は、水泳の泳者の場合と比較すると大きく異なるため、水泳の推進力に及ぼす非定常流体力と三次元渦構造の関係は不明のままである。そこで、前縁形状の異なる模型を使用して、翼背面の渦構造の違いが非定常揚力に及ぼす影響を調べた。模型形状としては、円盤型の模型と三角形のデルタ翼型の模型を使用した。デルタ翼の場合、前縁からの強いはく離渦を利用し高揚力が得られることは知られている。実際に、使用した模型で翼背面の流れや渦構造が異なることは、油膜法による可視化と翼背面での流れ場計測により確認した。特に、デルタ翼型の模型のように強い前縁からのはく離渦が発生している場合では、翼のピッチング運動による非定常効果は、ほとんど確認できなかった。その理由に関しては、翼背面および後方での渦の挙動から調べているところである。 泳者での実験では、被験者にオリンピック出場選手を加えて、泳者の手のひらの軌跡、速度、角度を算出し、被験者のスキルの違いでの動作解析と流れ場解析による渦との関連を調べた結果、トップスイマーは渦を効果的に用いて泳いでいることから、泳者の手の動きと渦の発生は密接な関係があることがわかった。
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Research Products
(3 results)