2005 Fiscal Year Annual Research Report
低酸素環境を用いたレジスタンス、体脂肪燃焼トレーニングに関する研究
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17500423
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
杉田 正明 三重大学, 教育学部, 助教授 (60235885)
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Keywords | 低酸素環境 / レジスタンストレーニング / 成長ホルモン |
Research Abstract |
本研究では常圧低酸素室を用い、低酸素環境下におけるレジスタンストレーニングの効果について明らかにすることを目的とした。 本研究では、低酸素環境下(15.4%:標高2500m相当)で安静状態を50分間取らせてレジスタンストレーニングを実施する場合(低酸素群)と常酸素環境下で安静(50分)を取らせてレジスタンストレーニングを実施する場合(常酸素群)の比較検討を行った。 対象者は、健常な男子学生6名を対象とした。被験者の身体的特徴は、年齢21.6±1.0歳、身長175.6±5.5cm、体重70.4±16.2kg、体脂肪率15.2±6.0%であった。 実験は、以下のように実施した。自転車エルゴメータを用いた10分間のウォーミングアップ後、低酸素環境下あるいは常酸素環境下で50分間安静を保たせた後に、レッグエクステンションを1RMの60%の負荷で10回運動を1セットとし、3セット(セット間の休息2分)行わせた。ウォーミングアップ前の安静時、運動前後で肘静脈血採取等を行った。 レジスタンストレーニング時のSpO2の平均値は、低酸素トレーニング群の方が有意(p<0.05)に低い値を示した。成長ホルモンの変化率は、レジスタンストレーニング直後の時点で、低酸素群の方が有意(p<0.05)に約1012.7%高い値を示した。ノルアドレナリンやドーパミンの変化率は、低酸素群の方が有意(p<0.05)に低い値を示した。 以上の結果より、低酸素環境下ではカテコールアミンであるアドレナリン、ノルアドレナリン、ドーパミンが抑制される傾向を示したが、常酸素環境下でレジスタンストレーニングを行う場合よりも成長ホルモンが多く分泌されることが明らかとなり、低酸素刺激がホルモン分泌動態に何らかの影響を及ぼしていることが示唆された。
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