2005 Fiscal Year Annual Research Report
レジスタンストレーニングの簡便的筋力・筋パワー評価法の確立と処方及びIT活用
Project/Area Number |
17500425
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Nara University of Education |
Principal Investigator |
若吉 浩二 奈良教育大学, 教育学部, 教授 (30191729)
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Keywords | critical power / レジスタンストレーニング / 挙上速度 / パワー / 最大挙上重量 |
Research Abstract |
本研究は,critical powerの概念をレジスタンストレーニングに応用し,挙上速度及び発揮パワーを低下させることなく,反復が行える最短のセット内休息時間の推定を行い,セット内休息時間と反復回数との関係を明らかにすることによって,レジスタンストレーニングにおける実践的なトレーニングとして応用させることを目的として行った. 1.5段階の重量で運動を行った結果,反復回数と重量の関係には有意な相関関係がみられ,最大挙上重量(1RM)の推定が可能であった. 2.5段階の重量で運動を行った結果,いずれの運動においても反復回数が増すに連れて挙上速度及び発揮パワーは低下していき,その低下率は負荷が高いほど顕著に高い値を示した. 3.一定の負荷において,4種類の休息時間を設定し,それぞれ疲労困憊に至るまで運動を行った結果,各運動における総仕事量と,休息時間も含めた持続時間の間には,全被験者において高い相関関係がみられ,きわめて直線の関係にあることが判明し,レジスタンストレーニングおいても,疲労困憊に至ることなく,反復を行うことのできる休息時間の推定が可能であった. 4.一定の負荷及び反復回数における,休息時間と挙上速度及び発揮パワー維持率の間には,高い相関関係がみられ,きわめて直線の関係にあることが判明した.これにより,予め反復回数と挙上速度及びパワー維持率を設定すれば,それを遂行するために必要な最短の至適休息時間の推定が可能であることが判明した. よって,本実験で行ったセット内休息時間の推定法をトレーニング現場に導入することにより,最大筋力やパワーの向上を目的としたトレーニングを行う際の,挙上速度が大幅に低下した状態で反復を行うという非効率的なトレーニングを改善し,より効率的で効果的なトレーニングの実施が可能になると考えられる.
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