2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17500429
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
中屋 豊 徳島大学, 大学院ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (50136222)
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Keywords | 運動習慣 / モノアミンオキシダーゼ / ノルエピナフリン / マイクロダイアリシス / セロトニン / オレキシン / 心房内血栓 / 接着分子 |
Research Abstract |
運動習慣形成のメカニズムを明らかにするためにSPORTSラットの高い運動習性の原因を検索し、以下の結果が得られた。 1)脳の組織およびマイクロダイアライシスによる検討では、海馬においてノルエピネフリン、セロトニンの濃度が高値を示し、その代謝産物の濃度の低下がみられた。このことより、ノルエピネフリンの分解が抑制されていることが考えられた。逆に組織濃度の検討では海馬においてノルエピネフリンの濃度の低下がみられた。 2)これらの機序を明らかにするため、モノアミンオキシダーゼ(MAO)の活性を測定した結果、MAO-Aの活性の低下がみられ、このためノルエピネフリンの高値が生じたと考えられた。 3)対照ラットへのMAOAの阻害剤の腹腔内への投与により、走行距離が増加したことより、MAOA活性の低下による、ノルエピネフリンの高値が本ラットの高運動性の原因と考えられた。 4)α2-受容体拮抗薬のヨヒンビンの投与により、本ラットの高運動性生が抑制された。ノルエピネフリンがα2受容体を介して作用していることが考えられた。 以上のように、海馬におけるモノアミンの変化が本ラットの運動習性を規定していることが示された。 また、新な発見としては、本ラットは軽症の高血圧を示し、高齢になると心房内の血栓を高率に形成することが判明した。交感神経系の活性化による凝固能の亢進、高血圧により内皮障害がおこり、接着因子の発現などが亢進し、血栓を形成しやすいことが考えられた。このことより、血栓形成のモデル動物としても有用であることが示された。
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Research Products
(14 results)