2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17500436
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | National Institute of Fitness and Sports in Kanoya |
Principal Investigator |
田中 孝夫 鹿屋体育大学, 体育学部, 教授 (60274867)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荻田 太 鹿屋体育大学, 体育学部, 助教授 (50224134)
田巻 弘之 鹿屋体育大学, 体育学部, 助教授 (40253926)
浜岡 隆文 鹿屋体育大学, 体育学部, 教授 (70266518)
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Keywords | 競泳 / エリートスイマー / オリンピック / 体力要因 / 技術要因 / パフォーマンス / 動的抵抗 / 推進効率 |
Research Abstract |
【目的】本研究は、水泳時の力学的指標、および代謝的指標をもとに、一流選手における競泳パフォーマンスの規定因子について明らかにすることを目的とした。 【方法】被検者は本年度インカレ優勝校に属する女子競泳選手15名であり、うち3名はオリンピック、ユニバーシアードなどの国際大会出場経験のある選手であった。本実験では、代謝的指標として最大酸素摂取量、最大血中乳酸濃度、OBLAが、力学的指標としては抵抗-泳速関係、抵抗係数・指数、および最大推進パワーが計測された。これら力学的指標の測定は、本学で開発されたMAD(Measurement of Active Drag)システムを用いて行われた。 【結果及び考察】その結果、持久的指標である最大酸素摂取量や無酸素性エネルギー供給能力の指標である最大血中乳酸濃度については、国際大会に出場した選手の方が他の選手よりも顕著に高いという傾向があるわけではなく、これらの指標と泳記録との間にも有意な相関関係は認められなかった。OBLA強度における泳速と泳記録の間には有意な相関が認められたが、これの結果は、泳記録の優劣が有酸素性能力に基づく乳酸除去能力の差異に起因しているというよりは、スイミングエコノミーの差異に起因していると考えられた。一方、力学的指標との関係を見ると、抵抗係数と泳記録との間に有意な相関が認められ、さらに抵抗-泳速関係を見ると、国際大会、特にオリンピックに出場した選手は他の選手よりも泳速が高くなるほど抵抗値が顕著に低くなる傾向を示した。以上の結果より、国際大会に出場するような一流選手の泳パフォーマンスには、体力的な要因よりも、むしろ抵抗を抑えるためのストローク技術、推進効率、泳姿勢などの力学的要因の方が強く関与していることが明らかとなった。
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Research Products
(4 results)