2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17500436
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Research Institution | National Institute of Fitness and Sports in Kanoya |
Principal Investigator |
田中 孝夫 鹿屋体育大学, 体育学部, 教授 (60274867)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荻田 太 鹿屋体育大学, 体育学部, 教授 (50224134)
田巻 弘之 鹿屋体育大学, 体育学部, 助教授 (40253926)
浜岡 隆文 鹿屋体育大学, 体育学部, 教授 (70266518)
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Keywords | 一流選手養成 / 競泳パフォーマンス / 規定要因 / 体力要因 / 技術要因 / トレーニング / 動的抵抗 |
Research Abstract |
【目的】本研究は、トレーニング前後における各指標の変化と泳パフォーマンスとの関連性について明らかにすることを目的とした。 【方法】被検者は本年度インカレ優勝校に属する女子競泳選手14名(1名はアジア大会に出場)、およびオリンピック金メダリストであった。本実験では、昨年度の結果を基に、代謝的指標として最大酸素摂取量、最大血中乳酸濃度、OBLAが、力学的指標としては抵抗-泳速関係、および最大推進パワーが計測された。これら力学的指標は、本学で開発されたMAD(Measurement of Active Drag)システムによって側定された。また、種々の血液検査も併せて行われた。 【結果及び考察】血液検査の結果、栄養状態を示すタンパク質、ビタミン、ミネラル、およびオーバートレーニング徴候を示す骨格筋、肝臓由来の血中逸脱酵素における異常値はほとんど示されなかったことから、年間を通じて良好な状態でトレーニングが遂行されたと考えられた。また、年間数回測定された測定値の変化と、そのときの泳記録の変化との相関を見た結果、最大酸素摂取量、最大血中乳酸濃度、OBLAなどの代謝的指標の変化と泳記録の変化との間には、有意な相関は認められなかった。一方、力学的指標について、最大推進パワーの変化に対する泳記録の変化を検討したところ、有意な負の相関が得られた。そこで、最大推進パワーが得られたときの抵抗力と泳速に分けて、泳記録の変化との関係を再検討したところ、抵抗の変化との間に負の相関が観察された。このことは、抵抗が小さくなった選手ほど泳記録の向上が大きかったことを示すものである。以上の結果より、国内トップレベルにある一流選手の泳パフォーマンス向上には、体力的な要因よりも、むしろ抵抗を抑えるためのストローク技術、推進効率、泳姿勢などの力学的要因の変化が強く関与していることが示唆された。
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Research Products
(5 results)