2005 Fiscal Year Annual Research Report
組織幹細胞の活性化による骨格筋の増量と再生促進に関する研究
Project/Area Number |
17500444
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | St. Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
後藤 勝正 (山下 勝正) 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 講師 (70239961)
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Keywords | 細胞・組織 / 再生医学 / 発生・分化 / シグナル伝達 / 老化 |
Research Abstract |
骨格筋の可塑性の発現には、筋組織の組織幹細胞である筋衛星細胞(サテライトセル)が重要な役割を果たしている。筋損傷後の再生において、サテライトセルは活性化されて主要な役割を演じていることから、骨格筋量を維持する(筋萎縮を抑制する)にはサテライトセルの賦活化が鍵となる。そこで本研究では、(1)骨格筋再生機構およびその能力に関与するサテライトセルの役割およびその由来を明らかにし、(2)サテライトセルの増殖や分化を促す因子を見出し、骨格筋の再生能力を高める具体的方策を見出すことを目的とする。本研究は3年計画で実施され、本年度はその1年目に当たる。実験機器は、現有設備を使用して実施している。本年度の検討項目は、骨格筋組織における筋タンパク増量ならびに再生における組織幹細胞の動態ならびに骨格筋細胞の細胞周期を増殖期および分化に移行させる因子を解明することとする。カルディオトキシン(CTX)投与による筋損傷モデル(C57BL/6Jマウス)を用いて、損傷と再生に伴うサテライトセルの動態および細胞内シグナルの検出を行った。さらに、筋損傷からの回復が筋肥大を引き起こす環境下で変化するか検討した。その結果、筋損傷後の回復初期にサテライトセルの活性化が認められた。さらに、筋肥大を引き起こす条件化では、筋損傷後の回復が促進することを明らかにした。また、筋タンパク増量および再生における骨髄組織幹細胞の関与について顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)投与の影響から検討した。その結果、G-CSF投与のタイミングにより回復が促進することも、逆に遅延化することもあることが明らかとなった。以上より、骨格筋組織における筋タンパク増量ならびに再生におけるG-CSF感受性組織幹細胞ならびにサテライトセルは同一の役割を演じている可能性が示唆された。
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Research Products
(6 results)