2005 Fiscal Year Annual Research Report
トレーニング及び脱トレーニングにともなう神経性循環調節機構の適応に関する研究
Project/Area Number |
17500448
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Toyota Technological Institute |
Principal Investigator |
斉藤 満 豊田工業大学, 工学部, 教授 (80126862)
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Keywords | 筋交感神経活動 / ハンドグリップ運動 / セントラルコマンド / 代謝受容器反射 |
Research Abstract |
心拍出量や活動筋血流の循環機能は身体トレーニングにより高まるが、この向上には心筋および末梢毛細血管の器質的な適応変化だけでなく、神経性調節系も関与している可能性が高い。特に、トレーニングの初期、およびトレーニング停止後の循環機能適応に関わる可能性が大きいと推察される。本研究はトレーニングおよび脱トレーニングに伴う運動時の循環適応変化に交感神経系がどのように関わっているか明らかにすることを目的とした。 健康成人10人を対象とし、全力で10秒間の静的ハンドグリップと休息を10回繰り返す運動を非利き腕で一日3セット、週4回、4週間実施した。運動時の交感神経活動反応はトレーニング前、トレーニング停止直後およびトレーニング停止4週後に測定した。脛骨神経よりmicroneurographyにより記録した筋交感神経活動バースト発射数を交感神経活動の指標とし、次の2種類の運動について反応を観察した。運動1:動脈阻血下において1分間40回のリズミックハンドグリップを最大努力で行なったあとに続く運動後阻血の筋交感神経反応、運動2:最大握力の30%張力発揮のアイソメトリック運動を疲労困憊まで行なった際の反応。結果の概要は以下に示す。 1.トレーニング後の最大筋力はトレーニング側だけでなく非トレーニング側も増加し、トレーニング停止後4週目でもトレーニング前より高値が維持された。 2.運動1では、運動後阻血時の筋交感神経活動はトレーニング後増加傾向を示したが有意ではなかった。トレーニング停止4週後の筋交感神経活動はトレーニング直後とほぼ同程度であった。 3.運動2では、疲労困憊時の筋交感神経活動反応はトレーニング後増強することが認められ、トレーニング停止後はトレーニング前値にまで低下した。
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Research Products
(5 results)