2006 Fiscal Year Annual Research Report
トレーニング及び脱トレーニングにともなう神経性循環調節機構の適応に関する研究
Project/Area Number |
17500448
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Research Institution | Toyota Technological Institute |
Principal Investigator |
斉藤 満 豊田工業大学, 工学部, 教授 (80126862)
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Keywords | 筋交感神経活動 / ハンドグリップ運動 / セントラルコマンド / 代謝受容器反射 / 機械受容器反射 / 血圧調節 |
Research Abstract |
心拍出量や活動筋血流の循環機能は身体トレーニングにより高まるが、これには心筋および末梢毛細血管の器質的な適応変化だけでなく、神経性調節系も関与している可能性が高い。本研究は、トレーニングおよび脱トレーニングに伴う運動時の循環適応変化に交感神経系がどのように関わっているか明らかにすることを目的とした。 健康成人20名を対象とし、トレーニング群10名と対照群10名に分け、トレーニング群には、全力で10秒間の静的ハンドグリップ運動と休息をそれぞれ10回繰り返す運動を、非利き腕で一日3セット、週4回4週間実施した。運動時の交感神経活動反応はトレーニング前、トレーニング停止直後、トレーニング停止4週および60週後に測定した。交感神経活動は脛骨神経より微小神経電図法により記録し、バースト発射数で表した。対照群についてはトレーニング群と同様に、トレーニング停止4週まで3回測定した。 運動は、最大握力の33%張力を2分間持続(A運動)と疲労困憊まで持続(B運動)する2種を用い、運動時と2分間の運動後阻血時の心拍、血圧、疲労感覚、交感神経活動を測定した。 今回、以下に示す結果が得られた: 1.A運動ではトレーニングにより運動時の交感神経活動および循環パラメータの変化は認められなかったが、トレーニング停止4週後の測定では運動後阻血時の活動が低下した。 2.B運動ではトレーニング後、疲労困憊時の交感神経活動はトレーニング前に比べて高くなる傾向を示した。しかし、トレーニング停止4週および60週後にはトレーニング直後より交感神経活動は有意に低下した。 3.B運動の運動後阻血時の交感神経活動は疲労困憊時の交感神経反応と同様の経過をたどった。 本結果から、トレーニングに伴う交感神経機能の適応変化は顕著でないが、トレーニング停止の影響が速やかに生じ、持続する結果が得られた。
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Research Products
(6 results)