2006 Fiscal Year Annual Research Report
脊髄損傷者における上肢の筋力と持久力のコンビネーショントレーニングについて
Project/Area Number |
17500449
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Research Institution | Osaka University of Health and Sport Sciences |
Principal Investigator |
矢部 京之助 大阪体育大学, 体育学部, 教授 (50090410)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鶴池 政明 大阪体育大学, 体育学部, 助教授 (40298831)
福嶋 利浩 筑波大学, 大学院人間総合科学研究科, 研究員 (30431670)
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Keywords | 脊髄損傷者 / 上肢 / 下肢 / 筋力 / 持久力 / コンビネーション / 車いすマラソン / 車椅子バスケット |
Research Abstract |
昨年度の研究において、脊髄損傷者が日常的に行なうスポーツ種目によって、体肢の末梢循環機能にトレーニング効果の違いが見られることが示唆された。具体的には、車椅子マラソン選手では、上肢の血管拡張能力が優れていたものの、下肢の血管拡張能力は著しく低下していた。一方、車椅子バスケット選手では上肢の血管拡張能力の向上が見られ、下肢の血管拡張能力には車椅子マラソン選手ほどの低下は見られなかった。 そこで本年度は、まず、車椅子バスケットボールの運動強度を評価するために、これまでに十分に明らかではない車椅子バスケットボールのゲーム中の移動距離や最高速度、平均速度を調査した。その結果、ゲーム中の総移動距離は約5km、最高速度は約6m/秒、平均速度は約1.8m/秒であることが明らかになった。 次に、車椅子マラソン選手4名に対して、通常の車椅子マラソンのトレーニング(週5〜6日、1回約2時間)に加え、8週間の上肢筋力トレーニング(5種目、10RM・3セット、週3日)を実施させ、上肢の筋力と持久力のコンビネーショントレーニングが上肢および下肢の筋機能と末梢循環機能に及ぼすトレーニング効果を検討した。その結果、トレーニング期間を通じて、血圧の上昇が見られたが、値は正常値の範囲内であった。また、前腕囲、握力が増加する傾向が見られたが、下腿囲に変化はなかった。上肢の安静時血流量、最高血流量は、筋力トレーニング実施4週間後に向上したが、8週間後にはトレーニング前の値に戻った。下肢の安静時血流量、最高血流量には変化がなかった。以上の結果より、車椅子マラソン選手に対する上肢の筋力と持久力のコンビネーショントレーングは、車椅子マラソン選手の上肢および下肢の末梢循環機能に影響を及ぼすには至らなかった。それは、通常行っている持久力トレーニングの強度が高いために筋力トレーニングの効果を抑制したのではないかと推察された。
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Research Products
(5 results)