2007 Fiscal Year Annual Research Report
認知的スキルの育成を目指す保健授業のモデルづくりに関する研究
Project/Area Number |
17500460
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
高橋 浩之 Chiba University, 教育学部, 教授 (20197172)
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Keywords | 教育学 / 教育系心理学 / 健康教育 / 認知的スキル / 保健授業 / 保健学習 |
Research Abstract |
これまでの申請者らの研究により,認知的スキルは保健行動の実現に貢献する可能性が大きいこと,教育的支援により認知的スキルを育成することが可能なことが明らかになった。 本年度は,前年度の研究活動を引き継ぎ,認知的スキルを育成する学習活動の整理を行った。そこでは,認知的スキルをベーシック認知的スキルとメタ認知的スキルとに分け,それぞれを育成する学習活動にはどのような構造が考えられるのかをした上でそれぞれに対応する活動を開発した。特にメタ認知的スキルに関しては,管理の対象を思考,感情,欲求などに分類して,それぞれに関して学習活動を開発し,模擬的に実施した上で修正を行った。 その結果を活かして,高等学校科目保健の「現代社会と健康」領域の「精神の健康」を題材として,モデル授業を開発し,実施した。そして,事前評価,事後評価,追跡評価を行い、精神の健康という題材においても,認知的スキルを育成する授業な実施可能であり,また、保健学習の効果と同時に認知的スキルの向上も確認できることが明かになった。 さらに本年度は、自己管理スキル尺度による評価に加えて,通常の学習活動でしばしば用いられる自由記述文による評価に関する検討も行った。高等学校科目保健の「生涯を通じる健康」領域における12時間の授業実践の結果,認知的スキルの豊富さは,与えられたテーマに関して生徒が自由に答えた記述文によってもある程度評価が可能であることが明らかになった。 最後に,全体の研究に関して総合的な検討を加え,今後の研究の方向性等に関して整理を行った。
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