2006 Fiscal Year Annual Research Report
森林揮散物質「みどりの香り」の抗ストレス作用に関する研究
Project/Area Number |
17500467
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
佐々木 和男 富山大学, 理工学研究部, 教授 (60042826)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
磯部 正治 富山大学, 理工学研究部, 教授 (70211050)
中島 一樹 富山大学, 理工学研究部, 助教授 (50207776)
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Keywords | 神経科学 / ストレス / 森林浴 |
Research Abstract |
1.ラット摂食中枢におけるセロトニン代謝(5-HIAA/5-HT)並びにドーパミン代謝(DOPAC/DA及びHVA/DA)を拘束ストレス下で測定するといずれも増大した。一方、青葉アルコールを拘束ストレス中にラットに嗅がせると、5-HIAA/5-HTの増大は有意に抑制された。DOPAC/DA及びHVA/DAも抑制されたが、抑制の程度は小さかった。 2.電気ショックを加えたラットでも摂食中枢のセロトニン代謝は増大したが、この増大は拘束ストレスの場合と同様、青葉アルコールにより抑制された。 3.これまでの研究を基に、「みどりの香り」の抗ストレス作用を次のように考えることができる。まず、ストレスによりセロトニン代謝が増大すると、視床下部室傍核ニューロンからCRFが遊離され、これが一方では下垂体-副腎皮質系を、他方では交感神経系を活性化し、結果的にこれらの下流にある免疫系を抑制する。また、セロトニン代謝の増大は同時に摂食中枢を介して副交感神経系を抑制するから、ストレスにより、ストレスホルモンの増大、交感神経系の活性化並びに免疫系の抑制状態が生ずる。しかし、「みどりの香り」によりセロトニン代謝の増大が抑えられると、CRFの遊離は抑制されるから、下垂体-副腎皮質系、交感-副交感神経系並びに免疫系は逆に働き、ストレスホルモンの減少、副交感神経系の活性化並びに免疫系の促進状態が生じ、「みどりの香り」は抗ストレス作用を発揮することになる。
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Research Products
(2 results)